飯岡沖のショウサイフグ

良型主体に好発進!

九十九里飯岡港出船…飯岡沖

フィッシングライター/近田憲男
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※料金等データは2019年5月のものです。

九十九里飯岡方面ではハナダイ五目が好調だが、これから盛期を迎えるショウサイフグも狙い目。九十九里飯岡方面ではハナダイ五目が好調だが、これから盛期を迎えるショウサイフグも狙い目。 取材した飯岡港の隆正丸では5月からフグ船をスタートしており、30センチ級の良型主体にいい日はトップで20尾以上とまずまず。

 目下の釣り場は航程15分ほどの近場が中心で、主に水深12〜15メートル前後の砂れき底のポイントを狙っている。根掛かりの心配もほとんどないから、フグ釣り入門にもおすすめだ。

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飯岡沖のショウサイフグ飯岡沖のショウサイフグ
良型ぞろいでスタート!

「5月に入ってから一つテンヤマダイ乗合のゲストでフグがたくさん交じるようになったので、5月9日からショウサイフグ乗合の出船を開始しました。初日は25〜38センチを8〜24尾とまずまずです」と話すのは、九十九里飯岡港・隆正丸の芳野幹雄船長。「5月に入ってから一つテンヤマダイ乗合のゲストでフグがたくさん交じるようになったので、5月9日からショウサイフグ乗合の出船を開始しました。初日は25〜38センチを8〜24尾とまずまずです」と話すのは、九十九里飯岡港・隆正丸の芳野幹雄船長。

 当地のフグは周年釣れるが、同宿では例年、良型がそろう初夏と、大中小交じりで数釣りが楽しめる夏にかけての時期をメインに出船しており、今年もそのシーズンがやってきたというわけだ。


フグファンで盛況!
 隆正丸を訪れたのは5月11日、フグ釣り開始の報を受けた常連さんや、初日の好模様を見て期待を寄せるビギナー連れの8名グループを含め、16名が船宿に集まった。 午前4時に受け付けを済ませ、エサのアオヤギと氷を受け取り、船へ移動する。 左舷には常連さんがミヨシから並んで入り、8名のグループは4名ずつ左右の舷に分かれてトモから並んで座る。私は空いていた左舷胴の間に入った。

 4時45分出船、航程15分で飯岡沖のポイントへ到着。無風でウネリもなく、海面は鏡のように静かだ。 午前5時、船長から、「準備ができた方から始めてください。水深は12メートルです。潮が止まっているので広く探ってください」との合図で釣り開始。 エサのアオヤギをたっぷり付けたカットウ仕掛けが次つぎと投入される。

 私は東京湾でしかフグ釣りの経験がないため船長に釣り方をうかがうと、「今のように潮が動いていないときはアンダーハンドでキャストして広く探ります。オモリが着底したら糸フケを取り、10秒数えたら竿先を30センチほどシャクって空合わせを入れてください。オモリが再着底したら10秒後に空合わせ。これを繰り返して船下まで誘ってみてください。それから潮が動いているときは、投げずに船下狙いで大丈夫です。ただ仕掛けが着底してすぐにアタリがあるときは、5秒に1回くらいと早めに空合わせを入れてください」と、空合わせを繰り返す〝タイム釣り〟を教えてもらう。

 開始からしばらくアタリはなく、何度か流し変えをする中、6時半、左舷ミヨシ2番の原田さんにヒット! 勢いよく横へ走っているので良型のショウサイフグに違いない。テンションを緩めずに巻き上げて35センチ級が釣れ上がった。 原田さんはフグ乗合が始まると同宿に毎週末通う熱烈なファン。さぞやこだわりの自製仕掛けを使っているに違いないと思いうかがってみると、ヤマシタ製の市販仕掛けを愛用とのこと。「これまで様ざまな仕掛けを自作したけど、一周して市販仕掛けに落ち着きました」

 仕掛けを見せてもらうとカットウの上に1本バリの食わせ仕掛けが付いている。「これはいわばセンサーみたいなものです。食わせ用のハリにフグが食ってくるとアタリが分かりやすいので、フグが近寄っているかどうかを知るために付けています」と言い、持参したアルゼンチンアカエビを食わせバリに付けて見せてくれた。

 

次つぎとフグがヒット!
 しばらくすると私の左隣の方にもヒット。強い引きに驚いた様子で夢中になってリールを巻いている。海面に40センチ級のフグが見えると隣の友人がサポートに入り、リーダーをつかんで抜き上げた。「初めて釣りましたがフグって引きが強いんですね。うまく投げられなかったので、船下に仕掛けを下ろしてシャクっていたら、突然ガツンと竿が止められました」と満面の笑み。 7時を過ぎると船内でポツポツと釣れ上がり半数以上の方がフグの顔を見た。いずれも30〜35センチ級と型がそろっている。 8時半には再び私の左隣の方に掛かり、ほぼ同時に並びの2人にもヒット、3人が次つぎに取り込む。

 その後も船内でポツポツと釣れ上がり、左舷ミヨシの方に至ってはアタリを取って掛ける釣り方で30センチ級をキャッチした。 私も釣れているタイミングで竿を出す。船長に教わった釣り方を繰り返し続けて、11時の沖揚がりまで残り10分で、ついにヒット! 10秒数えてシュッと合わせるとズンと重みが加わる。これまで貝殻などが掛かった瞬間、フグと勘違いしていたが今度は違う、グングン引く感じは間違いなく魚だ。「バレるな。頼むからバレないでくれ」と心の中で叫び、リールを巻くとフグが海面まで浮いてきた。見ると2本のカットウバリがボディをとらえガッチリとロックしている。これならバレないだろうとエイヤーと35センチ級を抜き上げ、沖揚がりの時間を迎えた。

 釣果は25〜40センチを0〜2尾。オデコの方が数名出てしまったものの、釣れるのは良型ぞろい、30〜35センチ級が大半を占め、このサイズなら食べ応えも十分だ。「今日はフグが散らばっていて、拾い釣りという展開でしたが、いい群れに当たれば船内のあちこちで釣れるようになります。 例年、群れが固まってくる6月から30〜35センチ級を主体に40センチ級交じりで、日並みよければ平均10〜20尾くらい釣れますよ。皆さんこのサイズを求めてうちに遊びに来てくれるんです」と船長。 6月からが本番、これから夏にかけてが楽しみだ。


九十九里飯岡港

隆正丸

☎0479・57・5432(詳細は巻末の情報欄参照)

▶料金=詳細は要電話確認

▶備考=集合4時。駐車可。ほかヒラメ、ハナダイ、一つテンヤマダイへも

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