外房大原のショウサイフグ
良型主体に好調スタート!

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※料金等データは2019年9月のものです。

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外房大原のショウサイフグが9月に解禁。今シーズンはトップ30〜40尾前後とまずまずの出足で、20〜25センチ前後の中型主体に40センチに迫る良型が釣れており、たまに1〜2キロ級のトラフグも交じっている。

 目下の釣り場は港から航程30分ほどの太東沖水深20〜25メートル前後がメイン。ここのところは早朝の暗い時間帯にアタリが集中する日が増えているとのことだから、チャンスタイムに手返しよく釣り上げよう。

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良型主体でお土産バッチリ

外房大原のフグ好スタート

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外房大原のショウサイフグが9月1日に解禁した。まだ日によるムラはあるものの、今年も順調な滑り出しを見せたようだ。

 9月6日に取材した大原港・敷嶋丸の山本幸夫船長によると、今年は去年よりも型がいいのが特徴だという。確かに当日も30センチ前後の良型が多く釣れた。

「今年はすでに40センチ級が出てますからね」

 顔をほころばせた山本船長の話が好調ぶりを裏付ける。

 そのためか、釣行した日は平日だというのにほぼ満席と盛況。15名の乗船者を乗せた第一敷嶋丸は、日の出前の4時半に出船した。

 

早朝のチャンスタイム

 航程30分ほどで太東沖に到着。まだ辺りが暗い中、スタートのアナウンスが響いた。

「はい、いいですよ〜。水深23メートルです」

 仕掛けを下ろすと、いきなり右ミヨシから4番目の勝野さんが合わせた。リールを巻くと、湾曲する竿の先が小刻みにたたかれている。

 その曲がり具合と長さから、勝野さんの竿がカワハギ竿であることが分かる。カワハギ竿がこれだけ曲がるのだから、良型であることが想像できた。

 ブシュッと潮鉄砲を吹きながら抜き上げられたショウサイフグは30センチ級。良型がいきなり登場し船上のボルテージが一気に高まる。

 そしてラッシュのスタートだ。船上のあちらこちらで25〜30センチ級が次つぎと抜き上げられる。全員がフグを手にするまで10分足らずのハイペースだ。

 5時15分ごろに日が昇り、徐々に周囲が明るくなってくる。スタート時は霧の中に船が浮かんでいるような状況だったが、やがてそれも晴れ、真夏日の天候になった。

 そして5時半を過ぎたころ、「あっちゃあ〜、潮が澄んじゃってますねえ」と操舵室から顔を出した船長が海面を見て苦い表情を浮かべた。

 その声につられて海面を見ると確かに水色が澄んでいる。沈んでいく仕掛けのオモリがけっこう深くまで見える。

「フグって、海中が暗かったり、潮が濁ってたほうがいいんですよ」

 その後の船上は、船長がそうこぼしたとおりポツリポツリと釣れるような状況に一変してしまった。

 

様ざまなフグの釣り方

 この日の竿頭は渡辺さんだ。太東沖のフグ釣りは、風などの状況にもよるが基本的には横流しで、一定のタイミングで左舷と右舷を入れ替えて流してくれるので釣り座による有利不利は少ない。

 左舷胴の間のややトモ寄りに釣り座を構えた渡辺さんが、それを実証してくれた格好だ。

 その渡辺さんに釣り方を聞いてみたが、船長が「ビギナーには」と教えてくれた釣り方とは異なる。

 そこで、この日の取材で見聞きした、初級、中級、上級の三つのパターンをまとめてみたい。

 まず、船長が教えてくれた初級編だが、いわゆるタイム釣りだ。オモリを底に着けたまま糸フケを取り、10秒くらい数えて空合わせを入れる。これを繰り返すだけ。底にエサをついばむフグがいれば、カットウバリに引っ掛かるという釣り方だ。もちろんこの釣り方で十分な釣果は得られる。

 次に中級編だが、これは集中力の勝負になる。オモリを底に着けたまま、あるいはハリス分オモリを上げて静止させてアタリを待つ。

 フグがエサをついばむと、ブルルとか、プルンといったアタリが出るので、これに素早く合わせを入れる。ただし、フグのアタリはそんな明確なものばかりではないから難しい。そのため、釣果をさらに上げたいと思えば、より繊細なアタリが察知できるように鍛練が必要になる。常連客たちは、この繊細なアタリをとらえて合わせていた。

 そして上級編。渡辺さんが教えてくれた釣り方だ。これは、やってみたがなかなか難しい。

 タイム釣りの要領で、空合わせを入れる。そして重みや引きがなければ竿先を下げるのだが、渡辺さんはこのとき竿先をゆっくりと下げていく。

 すると、その下げていく途中でアタリが出るので、それに合わせを入れる。実際に釣って見せてくれたが、アタリは竿を握っていなければ分からないであろうと思うほど繊細なものだった。

 渡辺さんによると、一連の動作の中で、この竿先を下げているときが最もフグのアタリが出るのだという。

 以上の三つのパターンだが、カットウバリでフグを掛けるのだから、いずれも空合わせや合わせのシャクリ幅はハリスの長さ分になる。たとえば、仕掛け図のように13センチと25センチの2本バリなら、シャクリ幅は25センチというイメージになる。

 食べておいしく、釣趣も申し分のないショウサイフグ。釣りの腕を磨きたい人にもうってつけだろう。

 当日は真夏日の晴天と澄み潮のダブルパンチで喜ばしくない条件が重なったが、それでも釣果は8〜32尾。ほとんどの人が20尾を超えていた。

 サイズは18〜36センチ、アベレージで30センチ前後。今シーズンの太東沖のショウサイフグは、サイズが魅力になりそうだ。

 さらに左舷ミヨシの臼田さんに34センチ、1.1キロのトラフグが釣れたことも特筆したい。

「去年はたしか、規定のトップ80尾っていう日が何日かありましたね。それくらい釣れました。今年も去年と同じくらい期待できますね」

 船長は最後にこう締めくくってくれた。数型ともに好調な太東沖のショウサイフグは今年の秋も有望株だ。


外房大原港

敷嶋丸

☎0470・62・1800

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▶料金=ショウサイフグ乗合一人9000円(氷付き)、エサは1パック500円

▶備考=4時集合、無料駐車場あり。ほかヒラメ、根魚五目、一つテンヤへ出船

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