南伊豆下田出船のキンメは
1キロ以上の良型ぞろい!

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※料金等データは2019年9月のものです。

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四季を通じて安定した人気を誇る釣り物の代表格がキンメダイ。この釣りのメッカである南伊豆下田の船宿は、主に新島沖を攻めている。 新島沖のウリはなんといってもサイズ。アベレージで1キロ、ときには3キロを超える特大キンメも交じるとあって、夢を求める熱心なファンが足繁く通い詰める。

 ひと口に新島沖といってもポイントは無数にあり、それぞれに特徴がある。その日の状況次第とはなるものの、とりあえず水深250〜350メートルでお土産を確保してから、深場に移動しての大型狙いが一般的なパターン。 このところ釣果はトップで10枚前後の日が多いが、好条件が重なれば一流しでツ抜け可能なのも深場釣りのだいご味。最後の1投まで気を緩めない集中力も重要だ。

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アベレージで1キロ以上アベレージで1キロ以上
型が魅力の南伊豆キンメ

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南伊豆の下田地区で本格的なキンメダイ漁が始まったのは1980年代というから、意外に歴史は浅い。 それ以前は、色がどぎついだの脂が強いだのと言われ、それほど評価はされていなかった。 しかし、いざ流通が始まると、評価は徐々に上がり、下魚から大衆魚、そして高級魚へとスター街道をばく進していく。 昔のキンメ釣りは、仕掛けを下ろせばほぼハリ数だけ付いてくるのが当たり前で、1束釣り程度ではなかなか満足してもらえなかった。 もちろん、そんな夢のような状況がいつまでも続くはずはない。現在は全盛期ほど数は釣れなくなっている。 華々しい大釣りが見られないと釣りそのものが衰退しそうなものだが、そうはならないのが面白いところ。

 下田地区の船宿でも、当地のメインターゲットであるマダイ、イサキ船より、キンメ船のほうが稼働率は高いように思える。 キンメの価値がそこまで上がったということだろう。考えてみれば、釣れなくなったと思うのは当時と比較するからであって、昔を知らなければ、たとえ5枚の釣果でも納得がいく魚なのである。

深場にもテクが必要
 9月12日、下田須崎港の番匠高宮丸へ。急な予定となったため準備が間に合わず、カメラと弁当だけ持って船着き場に向かう。 予報も芳しくない平日とあって、前日までの予約は2名だけだったが、船では6人の乗客がスタンバイしている。 4時過ぎ、小澤長夫船長の操船で新島沖へと向かう。従来は手前のポイント、石廊合わせで第1投となることが多かった。 ここは水深約250メートルとキンメ釣りとしては浅く、海底の形状も比較的平たんなため、慣れてない人でも釣りやすく、肩慣らしにはもってこい。

 サイズこそ中小型が多いものの、条件次第では数もまとまるから、ここでお土産を確保してから、深場に移動して大型狙いに専念するのが必勝パターンだったのだ。 しかし、石廊合わせはここ数カ月というもの不調が続いている。というわけで、いきなり新島沖の1級ポイント、トンガリで釣り開始となる。水深は350メートルほどからの下り込み、つまりカケ下がりになる。 オモリが着底したら、道糸をどんどん送り込んで、仕掛けが底から離れないようにしてアタリを待つ。 とはいえ、無闇に出し続ければ、根掛かりやオマツリを引き起こす。逆にカケ上がりの場合、状況によって巻くこともあれば、止めて待ったほうがいいこともあり、その判断が難しい。

 釣り方はエリアによっても違うケースがあり、同じポイントでも船によって異なるからなおさらだ。 その点、小澤船長は地形の変化や潮の流れなどを教えてくれるうえ、慣れていない人には細かい指示をアナウンスしてくれるからありがたい。 深場の釣りは一見すると大雑把で機械的に思える。しかし、少々のミスや不手際を魚群がカバーしてくれた昔と違い、今は小物釣りにも通じる細かいテクニックや工夫が、大きく釣果を左右する。

強風と速潮に苦戦
 ある程度流し切ったところで、ミヨシから順に巻き上げ開始。ちなみに、30メートルほど上げたら、次の人が巻き始めることでオマツリを回避する。 やがて仕掛けが見えてきて、ミヨシ1番、2番が1枚ずつ、途中を飛ばして大ドモが2枚のキンメをキャッチ。さすがはトンガリだけあって、型はすべて1キロオーバーの良型ぞろい。この結果をどう判断したのかは定かでないが、船長はここで移動の合図を出す。 向かったのは高瀬。石廊合わせに代わる土産ポイントだが、前日の模様は今ひとつだったという。

 状況は一夜明けても変わらなかったようで、そこからはまさかの連続空振り。8時になり、再びトンガリへ。 その名のとおり、ここは海底の起伏が非常に激しい。数あるポイントの中でも最も難易度の高い場所だ。と同時に傾斜を好むキンメにとっても一級ポイント。夢の3キロオーバーが潜む確率も高い。 1投目同様、カケ下がりを流したり、俗に壁と呼ばれる急激なカケ上がりも攻めた。とくにここは油断すると仕掛けはおろか、道糸から持っていかれることもあるので緊張感が漂う。

 もちろん、それを恐れて必要以上に上げすぎれば、仕掛けがキンメのタナを外れてしまうから、ころ合いをつかむのが難しい。 この日は終盤になって予報どおり北東風が強まって波が立ち、潮もどんどん速くなるという悪条件。 それでもキンメはポツポツと姿を見せる。サイズはさすがに申し分ない1キロ級がそろう。オデコが次つぎといなくなり、残り1人というところで沖揚がり。1〜1.6キロのキンメが一人0〜2枚。前日のトップが15枚だから、数についてはのびなかったものの型は良型がそろった。 その後、数のほうはトップで10枚前後の日が多いようだが、でっぷりと太った2キロオーバーは安定して上がっているから、サイズの期待は十分できる。


南伊豆下田須崎港 番匠高宮丸

60 61 05 56A4368

☎0558・22・0725

▶料金=一人1万9800円(氷、オモリ付き)
▶備考=出船時間は電話確認。会員、WEB割引ほかオールレンタルなど各種セット料金あり。無料駐車可

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