中小ダイ主体にイナダやカンパチも
内房勝山港出船のコマセダイ好模様

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※料金等データは2019年11月のものです。

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コマセダイで賑わう港は各地にあるが、この秋安定した釣果が続いているのが内房勝山港出船。釣り場は勝山〜富浦沖の水深40〜60メートル付近で、400〜600グラム級主体に1〜2キロ級も交じってトップで5枚前後。加えて青物も回遊も回遊しており、目下はイナダやカンパチが交じる。中小型のマダイの数釣りを青物交じりで楽しめる秋のコマセダイは入門者にもおすすめだ。

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勝山港出船のコマセダイ好調
マダイと青物の引きを満喫!

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「この時期のマダイは、スレていない個体が固まるんで、数釣りができるんですよ!」「この時期のマダイは、スレていない個体が固まるんで、数釣りができるんですよ!」 渡邉大輔船長に「いよいよ秋のマダイシーズンに突入ですね」と話しかけると、ひときわ高いトーンでそう返ってきた。 内房勝山港の利八丸へ釣行したのは10月27日。 同船のマダイ船の前日の釣果は0.4〜2キロがトップで7枚。これにイナダやカンパチなどが交じり賑わいを見せたようだ。「9月の中旬くらいから始めたんですけど、釣果は日を追うごとに上向いてますね」 そう話してくれた船長は、定刻の6時に舫いを解いた。

富浦沖はマダイ優勢
 12名の乗船客を乗せた第一利八丸は港を出ると約5分で停船する。「はい、いいですよ。上から25メートルでやってみてください」 勝山港の目の前の「イサキ根」と呼ばれる水深40メートルほどのポイントだ。 置き竿にした私の仕掛けにイナダが食った直後、左ミヨシの佐藤さんがマダイを抜き上げる。 開始から10分もたっていないので、コマセに魚が集まってくるにはまだ早いはず。だとすると……魚影の濃さを想像し期待が一気に膨らんだ。

 しかし、ここからイナダの猛攻が始まる。イナダは専門に狙う船もあるくらい人気があるターゲットなので本来ならうれしいゲストだ。 左胴の間の杉山航太くくん(13歳)と遥人くん(10歳)兄弟は、お父さんの指導を受けながら大喜びでリールを巻いている。 しかし、あくまでも本本命はマダイだ。「昨日までイナダはこんなにはいなかったんですよ。なんかイナダがマダイより先に食っちゃう感じですねえ……」 船長もちょっと困ってしまう状況だった。 7時を過ぎたころ、右ミヨシ2番の斉藤さんが小型のマダイを釣る。そして、その隣の細谷さんにメジナ、左胴の間の大塚健太さんにアカヤガラが釣れるなど多彩なゲストも登場するのだが、やはりイナダのラッシュが続く。 この状況に、船長は移動を決断する。8時半を過ぎたころ仕掛けを上げるようにアナウンスがあり、15分ほど船を走らせた。

 到着したのは富浦沖の象背根と呼ばれるポイント、水深は60メートル前後。 再開直後、海面下45メートルの指示ダナに合わせた途端、斉藤さんに800グラムのマダイ。続いて私の置き竿に1.2キロのカンパチ。そして佐藤さんが800グラムのマダイを釣る。 佐藤さんはこの日の竿頭となるのだが、ここまでとにかくアタリを数多く出している。そこで、隣に立って釣り方を見学してみることにした。 佐藤さんは、仕掛けの工夫など特別なことは何もしていなかった。一般的な仕掛けで、船宿が用意してくれたオキアミコマセから付けエサを拾って付けているだけだ。

 しかし明らかに異なるのは、佐藤さんは仕掛けを投入したあと、回収するまで一度も竿を置くことはしない。常に竿を手に持ち、誘い続けていた。誘い方を聞いてみる。「2メートルくらい、ゆ〜っくりと誘い上げて、またゆ〜っくりと下ろしていくんですよ。そうすると、下ろしているときにアタリが出ますから……、ほら!」 そう教えてくれながら、ゆっくりと竿先を下げている最中に佐藤さんの竿先がプルプルと揺れる。巻き上げると、先ほどとほぼ同サイズのマダイが海面下に見えた。 多くのマダイが顔を見せたこのポイントだが、いかんせん潮が速いため5分置きに潮回りするような状況で、船長は勝山沖に戻るとアナウンスする。 全員が一斉に仕掛けを巻き上げ始めると、右大ドモの佐藤さんの竿が湾曲する。この日の最大となる後検量1.8キロのマダイだった。

高活性でアタリ多数
 イサキ根に戻るとイナダの群れは去っていたようで、左胴の間の大塚大輝さん、健太さん兄弟がマダイを1枚ずつ上げる。 左ミヨシの佐藤さんと右トモの佐藤さんがカンパチを、左ミヨシの佐藤さんが約40センチのマダイを取り込みこのポイントの好調ぶりがうかがえた。 12時40分に沖揚がりのアナウンス。マダイのトップは左ミヨシの佐藤さんの4枚。最大は右トモの佐藤さんの1.8キロ。これにイナダ、カンパチ、メジナ、アカヤガラ、ウマヅラ、マサバなどが交じり退屈な時間はまったくなかった。「今日はイナダが多かったですね。その分マダイの数が期待したより出ませんでした。イナダの数でいったら、今日がこの秋一番ですよ」

 そう残念がった船長だが、最後にこう締めくくってくれた。「朝も言いましたけど、秋はスレていないマダイが集まってきて数釣りが楽しめます。今年もマダイの魚影は濃いのでかなり楽しめますよ。 大ダイが狙えるポイントは別にあるんですけど、この時期は数釣りを楽しんでもらいたいんです。この調子なら年内は続きそうですね」 近場のポイントは港前で、北風を浮島がさえぎってくれるので、船酔いの心配をしないで楽しめるのもいい。 水深も浅く、そしてなによりアタリが多くて楽しい。ベテランも十分に満足でき、ビギナーのコマセダイ入門にもうってつけなので、この時期に、ぜひおすすめしたい。


内房勝山港 利八丸
☎0470・55・3837

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▶料金=マダイ乗合一人1万1000円(コマセ、氷付き)
▶備考=6時出船、無料駐車場あり。ほかカワハギ、アオリイカへも出船

 

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