木更津沖で高位安定!
シロギスのアタリを満喫

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※料金等データは2020年1月のものです。

厳冬期もなんのその、東京湾では小物釣りが盛況だ。厳冬期もなんのその、東京湾では小物釣りが盛況だ。 本来、冬のシロギス釣りは水温の低下とともに水深20〜30メートル台の深場に固まった群れを狙う「落ちギス」の季節。しかし、ここ数年は真冬もキスが深みに落ちることなく水深10メートル台の浅場で釣れている。 羽田大師橋際の「かめだや」に乗船した取材日は木更津沖の水深15メートル前後を狙い、ほとんど空振りなしで釣れ続き、トップ束超え、大半の人が60尾以上という好釣果。今後も安定して続きそうとのことだから、数釣りを満喫したい人にイチ推しだ。

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冬でも浅場で食い活発
東京湾のシロギス好況

沖釣りの入門ターゲットとして人気を集める東京湾のシロギス。スラリとした容姿とパールホワイトに輝く魚体は海の女王と称されるほど美しく、天ぷらのタネに最高の食味も人気の理由となっている。 夏の浅場で釣れる時期がトップシーズンだが、実は冬のシロギス釣りもまた面白い。越冬のため脂を蓄えたボディはまさに女王様の貫禄十分。冬のシロギスは天ぷらはもとより、糸造りや昆布じめなどの刺身が抜群にうまい。その食味につられてシーズンを問わず足繁く通うのである。 もちろん食味だけじゃないですぞ。ブルブルッとアタリがきてから、キュキューンと竿を曲げる小気味いい引きも魅力。あの小さな体のどこにこんなパワーがあるのかといつも感心するばかりだ。

電車釣行派におすすめ
 12月16日、出かけたのは東京湾奥羽田大師橋際の江戸前の老舗船宿「かめだや」。 多摩川に架かる「大師橋」のたもとに船着き場と宿があり、京浜急行の大鳥居駅からは徒歩圏内。JR蒲田駅(東口)からの送迎もあり、電車釣行派にも便利で人気がある船宿だ。 送迎バスに乗って午前7時ちょい過ぎに船宿に到着。すでに予約のお客さんは全員集まり乗船しているとのこと。 遅ればせながら私も船着き場に急ぎ船に乗り込むと、常連さんらしき方がたが釣り談義の真っ最中。

 あいさつをしてお仲間に入れてもらい話を聞いていると、当日のシロギス船担当の鈴木翔太船長が登場。 初めての船宿だから、どんな船長かと想像していたが、物腰のやわらかい気さくな若い船長であった。話し方も優しく、ていねいに受け答えをしてくれるから、沖釣りビギナーも安心だ。 船長の話では、「ちょっと前は入れ食いが続いていて束(100尾)釣りなんて当たり前の状況でした。水温がまだ高めですからキスの活性も高いですよ。まだまだ好釣が期待できます」とのこと。 期待を胸に5人のお客さんとともに定刻7時半に河岸払いとなった。 ちなみに先の台風被害で多摩川に土砂が流れ込み、水位によっては出船時間が変更になる日もあるとか。予約時に確認しておくと安心だろう。 多摩川を下り、出船から1時間ほどで釣り場の木更津沖に到着。「水深15メートル、始めてください」とのアナウンスでスタート。

 夏の最盛期とほぼ変わらない浅場である。やはり暖冬の影響だろうか? 厳冬期でも浅場で釣れるから、これもまたビギナーには安心材料といえる。以前は30〜40メートル、時には50メートルなんて深場も攻めたが、ここ数年は真冬も20メートル以浅が主戦場になっている。 船全体を見渡せるミヨシでしばし様子を見ていると、すぐに第1号が上がったが、やや小型。ただ、小さいといっても、天ぷらのネタにちょうどいい15センチ級。このサイズが多く交じるということは、まだ水温が下がりきっていないということ。夏場の勢いが残っているから数ものびているのだろう。 決して入れ食いではないが、だれかしらの竿が曲がっている。前日は強風でかなり厳しかったと出船前に常連さんから聞いていたので、ちょっと不安ではあったが、この釣れ方ならノープロブレム! そのうちいい群れに当たれば数ものびるだろう、と勝手に安心する。

 そう思った矢先、船長から、「後ろで大きいのが釣れましたよ」と声をかけられた。 そそくさとカメラを抱え駆けつけてみると22センチ級のナイスボディの女王様である。パールホワイトの魚体が日に輝いてまぶしいくらいだ。このサイズがそろうから冬のシロギスは面白いのである。 画撮りをしていると反対側でも同様のサイズが一荷で釣れてきた。大型の群れに当たったようで、皆さんの竿先を見ていると、引ったくるようなアタリやグングン引き込むアタリが多い。 2本竿の人は同時にアタリがあることもしばしばあって、数は順調にのびている。中には釣りすぎると家で怒られるから……と自分でリミット制限をして休み休み釣っている方もいた。


20センチ級連発!
 船長は30分程度で流し変えを行い、どのポイントでも顔は見られ広範囲にシロギスはいる感じ。こんなときは、ちょっと投げてゆっくり探ってくると効果的だ。もちろん船下に投入しても問題なく釣れるけどね。 お客さん5人のうち4人の方が2本竿を出していたが、1本を船下狙い、もう1本をチョイと投げて釣るスタイルだった。 船下狙いには胴つき仕掛けで置き竿にして、チョイ投げする竿にはテンビン仕掛けを使うのが常連さんたちのトレンドのようである。

 仕掛けについて、胴つき式とテンビン式、どちらがいいか船長に尋ねたところ、「基本は片テンですね。胴つき式はアタリが大きいから面白いのですが、潮が速いときは食いが悪いことがあります。と言っても、好みでいいと思います」と話してくれた。 2通りの仕掛けを使い分ける常連さんがいたら、その日によく釣れている仕掛けを真似してみるのもビギナーには得策か? 10時を回った時点ですでに60尾を超えた方がいて、この調子ならトップは束超えの勢いだ。

 しばらくそんな状況が続いたが、午後の潮止まりにやや食い渋ったところで少し深場に移動。と言っても、水深20メートル前後とこの時期にしては浅い。いい画が撮れるように、大きいシロギスが釣れるポイントを狙ってくれているようだ。 そのかいあってか、上げ潮が効きだすとがぜんアタリが多くなる。サイズも午前中よりひと回り大きい20センチ級主体に釣れてくる。大きい20センチ級主体に釣れてくる。 中にはキャストのたびにヒットしてきて、入れ食いを堪能する方も。結局最後までこのポイントを流して15時に沖揚がりとなった。

 釣果はトップ109尾と束超え達成。1本竿の方が27尾だったが、ほかの方は60〜70尾前後と好調そのものであった。 シロギスの当て字は魚編に喜ぶと書いて「鱚」。たくさん釣れたときは、家族や来客に大いに食べてもらって喜んでもらいましょう。


東京湾奥羽田大師橋際 かめだや

☎03・3741・1258

▶料金=シロギス予約乗合一人9000円(エサ、氷付き)、女性・子供割引あり
▶備考=出船時間は電話確認、駐車場あり。ほかライトアジへも出船

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