大型狙いの穴場スポット
南房のアマダイ好期到来

※無断コピー・転載禁止
※料金等データは2020年1月のものです。

南房江見沖のアマダイは、どちらかというと数よりも型狙いに定評があり、ファンの間では50センチクラスの大型も釣れることで知られている。 ここ江見太夫崎港の鈴丸ではアマダイ&ハナダイのリレー釣りで出船。当地のアマダイはテンビン式のコマセ釣りで、アミコマセをまきながら狙うスタイル。ハナダイも仕掛けを替えるだけで同じ道具立てで楽しめる。 当日の前半はアマダイを狙って水深90メートル付近を流し、32〜45センチクラスが順調に上がったものの、大型らしきヒットは痛恨の高切れ……。 期待の50センチオーバーこそお預けとなったが、江見沖のアマダイは2月も有望。ぜひ皆さんも出かけていただきたい。

船宿データベースはこちら。


南房江見沖の欲張り
リレーアマダイ&ハナダイ満喫!

魚体の美しさと食味のよさで人気のターゲットといえばアマダイ。今シーズンの釣況は各エリアで順調、当たり年といっていいだろう。 そこで今回はアマダイの穴場的なスポット、南房江見太夫崎港の鈴丸に1月11日、釣友の塙くんと釣行した。 江見沖は大型のアマダイも釣れることで知られているが、ほかのエリアと違うところはアミコマセを使う点。巣穴の中に隠れているアマダイをコマセのにおいで誘い出して食わせるのだ。 江見沖はハナダイの好ポイントとしても知られており、同船は欲張り派にはたまらない、一度に両ターゲットを楽しめるリレー釣りスタイルで出船している。

初心者にアタリ連発
 5時半になると船着き場に船が横着けされ、先着順に船に乗り込む。乗船者は私たち2名と4人グループの合計6名だったので、3人ずつに分かれて席に着き、私の席は右トモとなった。 実はこの4人グループはちょっと異色な関係。話を聞くと、防波堤の釣り場で何度か出会っているうちに仲よくなり、一緒に沖釣りにも誘い合って乗るようになったらしい。 左トモの小山さんと左胴の間の中村さんは沖釣りの経験が浅くアマダイは今回が初挑戦だったために、私に釣り方を聞いてきた。 そこで、底ダチを取ったら1メートル巻き上げたところを起点に、ゆっくり竿を頭上まで持ち上げ、ゆっくり元の位置に戻し、しっかり止めてしばし待つ、という誘いを繰り返す釣り方の基本を伝授。もちろんまめに底ダチを取ることも付け加えてアドバイスした。 そうこうしているうちに準備が整い出船し、ポイントの江見沖に6時過ぎに到着。ここは水深90〜95メートルの比較的緩やかなカケ上がり。海底はアマダイの生息域に共通した砂泥地となっており、根掛かりの心配はないとのこと。

 コマセカゴの調整は、下窓を完全に閉め、上窓を3分の1ほど開け、コマセが出すぎないようにするのがセオリーだ。コマセのアミを詰め、各自が用意したオキアミをハリに付けてスタート。 海上が薄暗かった早朝はアタリが遠かったが、辺りが明るくなるとアマダイが食い始めた。 最初に竿を曲げたのは左トモ、私がレクチャーした小山さん。初めてのアマダイだけに引きを楽しむ余裕はなかったようだが、無事42センチ級を釣り上げ、「教わったとおりにしたら釣れましたよ」と大喜び。 続けて、レクチャーしたもう一人の中村さんにもアタリがきて34センチをキャッチ。 すると塙くんにもアタリ。巻き上げると激しく抵抗し、引きの具合から想定すると50センチクラスのお出ましか……。かたずをのんでカメラを構えていると、残り35メートルでプッツンと高切れ。私も同じ経験を何度もしているので、彼の落胆ぶりは察するに余りあった。

 しかし、塙くんはすかさず新しい仕掛けを付けて投入し、直後に32センチを釣り上げる。彼もメンタルが強くなったものだ。 その後はアタリが遠い流しがあったものの、時にはバタバタッとアマダイが続けて上がり、良型のキダイやカンコも顔を出した。 9時過ぎ、4人グループでまだアマダイの顔を見ていなかった左ミヨシの川村さんにアタリ。強い引きを見せて上がってきたのは当日最大45センチの本命。「よかったぁー」と声をあげて一安心。 こうして皆さんアマダイを釣り上げ、初挑戦の中村さんが3尾でトップとなった。

ハナダイは良型ぞろい
 10時過ぎにハナダイに転進。10分ほど走って到着したのは水深50メートルラインの若干根があるポイント。「タナは上から42〜47メートルの範囲でやってください」とのアナウンスで第2ラウンド開始。 仕掛けをハナダイ用に付け替え、指示ダナの範囲をリズミカルにシャクリ上げて誘う。コマセカゴの調整はアマダイと同じくパラパラと出るくらいでOK。 シャクった後、魚がエサに食い付く間を取ることが肝心で、活性が高ければ3〜5秒、そうでなければ8〜10秒とやや長めにするといい。タナを2往復誘ったら、回収してコマセを詰め直し、付けエサを確認して再投入する。

 ハナダイは食い気がないのかアタリが遠く、「潮が流れてないから食ってくんねーよぉ」と船長が嘆く。 確かに魚探にはハッキリと魚影が映し出されているものの、コマセへの反応が鈍いようだ。 ようやく左ミヨシの川村さんが28センチのハナダイを釣り上げたのを皮切りに、ポツリポツリと顔を出し始めた。

 すると釣友の塙くんにもアタリがきて32センチとナイスサイズをキャッチ。 私も撮影しながら置き竿にしていた仕掛けを回収しようとしたら、グググッとなにやら生体反応。上がってきたのは30センチほどのマハタであった。 その後はハナダイとイサキがポツポツ上がって、11時20分に沖揚がり。 今回は期待の50センチオーバーには出会えなかったが、当地のアマダイは2月も有望。ビッグサイズを求めてぜひ出かけていただきたい。


南房江見太夫崎 鈴丸

☎090・2525・6003

▶料金=アマダイ&ハナダイリレー1万円(コマセ、氷付き)、付けエサは各自持参▶備考=出船時間は電話確認、駐車場あり。ほかヒラメ、マハタ五目、クロムツ&オニカサゴなどへも出船

船宿データベースはこちら。