瀬ノ海のアジも釣果安定
ハモノ狙いで大物に期待

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※料金等データは2020年2月のものです。

寒さをものともせず各地でアジが釣れ盛っているが、ここ相模湾のビシアジも好調。周年のアジ乗合を看板に掲げる大磯港の恒丸では、瀬ノ海の水深100〜140メートル前後を狙い、20〜25センチ級の中アジを主体に30〜40センチ級の良型も交えて、いい日はトップ40〜50尾を釣っている。 同船は両舷のミヨシとトモの四隅の釣り座限定ながら、ハモノ狙いの泳がせ釣りも可能で、釣れたアジを泳がせるとヒラメやワラサなどビッグなゲストが顔を出すことも。また大物に的を絞るなら、希望で泳がせ専門の乗合も出してくれるので問い合わせてみよう。

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相模湾大磯港のアジ船で
本命+ハモノ狙いを満喫!

皆さんが初めて沖釣りをしたときのターゲットはなんですか?皆さんが初めて沖釣りをしたときのターゲットはなんですか? アジと答える人が多いと思うが、実は私も最初のターゲットはアジ。もっとも40年以上前なので、手釣りのビシアジの時代だ。 初めて釣り上げたアジに感動を覚えたのは今でも鮮明に記憶に残っている。 今では釣具も進化し、アジ釣りは身近になった。アジはよほどのことがない限りお土産が確保できるから、夕食においしいフライや刺身が食べられるという、釣りと食の楽しみが約束されていることも人気の理由だろう。

高めのタナが吉
 1月25日、アジを狙って釣友と2人で相模湾大磯港の恒丸へ。大磯港はアジの一級ポイントである瀬ノ海を眼前に臨む位置にあり、同船は周年アジで出船している。 そして+αの楽しみとなっているのが、四隅の釣り座限定ではあるものの、釣ったアジを泳がせてハモノ狙いができること(釣り座の間隔に余裕があるときは、船長の了承を得てどこの釣り座でも可能)。 泳がせ釣りで狙うメインターゲットは、ワラサやブリなどの青物だが、時折大型のヒラメやイシナギも顔を出すとのこと。 右ミヨシの小松さんが、「先週来たときにワラサが3本上がっていたので、今日は1本釣って帰りたいですね」と言えば、両ドモの田浦さん親子が、「恒丸さんで泳がせ釣りの面白さを教えてもらいました。今日も頑張りますよ」と意気盛んだ。 私も泳がせ釣りの道具を用意してきたが、取材のため、これは左ミヨシに入った釣友の塙くんに託すことに。

 6時半に8名を乗せて出船。15分ほどでポイントに到着すると、「水深は120メートル。タナは底から4〜6メートルでやってください。ここは崖のように落ち込む縁のポイントです。流していくと水深が変わるので、まめに底ダチを確認してください」という飯田仁船長の合図でスタート。 付けエサはアカタンが用意されているが、事前に船長に近況を伺ったところ、「濁り潮対策として、アオイソメを持参したほうがいいですよ」と言われていたので、塙くんは持参したアオイソメを1センチほどにカットし、ハリに付けて投入。 仕掛け落下中の道糸を見ていると真っすぐになっていて、着底後に底ダチを取るとほぼ120メートル。そこで潮はほとんど流れていない状況と判断し、塙くんに、「高めを狙ってごらん」とアドバイス。 彼は底から4メートル上げた位置からコマセを振り出し、底上6メートルに合わせると、すぐにプルプルとアタリ。思惑どおり船中1号、30センチ級のアジを釣り上げた。 続いて右ミヨシ2番の小松モモ子さんが28センチ級をキャッチすると、旦那さんが、「ちょっと大きいけどいただくよ」と言って泳がせ仕掛けに付けて投入。

 しかし、早朝のチャンスタイムにアジがバリバリ釣れると思っていたのだが、予想外の苦戦を強いられた。 活性が低く吸い込みが弱いのか、巻き上げ途中や抜き上げの海面バラシが頻発。「あ〜、いなくなってる」と塙くんも嘆いている。 船長は食い気のある群れを探して頻繁に潮回りをしてくれたが、ポツリポツリの展開が続いた。 船長によれば、当日は潮が澄んで、食い気があって型もいい群れが深場に落ちてしまったらしい。

泳がせ竿にアタリ!
 9時過ぎ、水深140メートル付近に移動。すでに6隻ほどのアジ船が集まっており、あちらこちらでアジを取り込む姿が見られる。 再開後、すぐにアタリが出て、20センチ級がダブル、トリプルで上がって船内が活気づく。 中でも好調だったのが右トモ2番の飯田さん。この方の釣り方を見ていると、コマセをタナでパッ、パラパラと少しずつ出して食わせていた。 右ミヨシの小松さんの泳がせ竿にアタリ。横走りをしないので青物ではないことは確かなのだが、果たして獲物は……とカメラを構えていると、ポコッと浮かび上がってきたのは大きなマトウダイ。 小松さんはその後もマトウダイを追釣して少々苦笑い。

 それを見ていた塙くんが、「ヒラメのゲストで釣れたマトウダイをムニエルにしたら、メチャうまでした」と言って泳がせ釣りを開始。 すると、1投目の着底直後にアタリ。しっかり食い込ませ、強い引き込みに合わせると見事にフッキング。はたしてヒラメかマトウダイか、それとも……。 塙くんが慎重に巻き上げる。私は大物を期待してワクワクしながら海面をのぞき込んでいると、姿を現したのは40センチオーバーのマトウダイ。狙いどおりに釣り上げた彼は大喜びだ。 10時過ぎ、私も晩のおかずを確保するために竿を出す。1投目は1尾、2投目と3投目はダブルで20センチ級のアジを取り込む。 周りで釣れているアジも同じくらいのサイズで、時折サバが交じる。

 大型の群れはもっと深いところにいる、と判断した船長は200メートル付近に移動する。 私はこれほど深いポイントでアジ釣りをした経験がなかったので船長に聞くと、「もっと深い250メートル台でカマス釣りをしているとアジも掛かりますよ」と教えてくれた。 しかし、ここでは20センチ級のシロムツが上がったものの、期待の大アジのアタリは遠く、再び早朝のポイントへ戻ると、ポツポツとアジが釣れて沖揚がりを迎えた。 釣果は18〜32センチが7〜41尾、平均で25尾前後。急に潮が澄んだこともあり、数も型も今ひとつだったと船長は残念がったが、お土産は十分。 しばらくすれば春の濁り潮が瀬ノ海に差し込み、数型ともに上向くはず。皆さんにもぜひ、手堅いアジと、一発大物狙いの泳がせ釣りのだいご味を楽しんでいただきたい。


相模湾大磯港 恒丸

☎0463・61・3073

▶料金=アジ乗合一人9000円(コマセ、アカタン付き)、氷200円
▶備考=6時半出船、駐車場あり。ほかカマス、希望で泳がせ釣りへも出船

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