イワシの群れが好釣果の鍵
良型ヒラメいよいよ佳境!

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※料金等データは2020年2月のものです。

ここ外房大原のヒラメは9月に始まり5月の連休までロングシーズンで楽しめる。中でも産卵のためにエサを十分に食べ、魚体が充実するこの時期のヒラメは釣り味、食味ともに抜群だ。ここ外房大原のヒラメは9月に始まり5月の連休までロングシーズンで楽しめる。中でも産卵のためにエサを十分に食べ、魚体が充実するこの時期のヒラメは釣り味、食味ともに抜群だ。 当地では2月に入りイワシの群れが見られる日が増えるとともに釣果が上昇。いい日は1キロ級主体に2〜4キロ級を交えつつトップで5枚前後を釣っている。 イワシの群れに着いたヒラメはサイズがよくて食いも活発。イワシも大きくなる今後はさらなる大ビラメも期待できるというから楽しみだ。

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ヒラメやマダイが舞い踊る
イワシ着きの好期はこれから

外房エリアのヒラメは昨年秋の開幕以来、型、数ともに今ひとつの状況が続いていた。 復活の兆しがあったのは年末。北の海から待望のイワシの群れが外房まで南下してきたのだ。 イワシの群れがくるとなぜいいのか。まず、南下してくるのはイワシだけではなく、そのイワシを捕食しようとヒラメの群れも大挙して来遊してくるため。 次に、元もと外房の海に居着いてたヒラメたちも、頭上を行き来するイワシに刺激され、食い気が高まるという効能もある。いわば天然のコマセ効果というわけだ。 しかし年末の第一波はすぐに終息。1月はシケ続きでろくに出船できない日々が続く。 そして2月に入り、再びイワシの群れがちらほらと見え出した途端、釣果も急上昇。良型ヒラメの本格シーズンがいよいよスタートしたのだ。

イワシの大群はいずこ…
 2月8日は大原港の臼井丸から出船した。集合は5時。私を含め12人が受付を済ませた後、漁協裏の岸壁に接岸している船に乗り込む。 各自の準備が整った5時半、臼井信喜船長の操船で、釣り場に向けてスタートする。しかし、港を出ても船は徐行のまま。夜明け前ゆえの安全運転かと思っていると、ほどなく船は停止。 なんのことはない。ポイントは港前の超近場だったため、投入開始時間に合わせてゆっくり走っていたのだった。 助手を務める臼井家の三男、達彦さんが船のイケスからエサのイワシをすくい、各座席を回って足元のタルに配給していく。

 空は曇天で、北西の風がそよそよと吹いている。6時に、「水深18メートル、やってください」のアナウンスで横流しでスタート。 前日はこのポイントで、0.5〜2.8キロのヒラメが1人2〜5枚と好調に釣れた。それだけではない。イワシを見て興奮するのはヒラメだけではないようで、3.5キロ、3.7キロ、4.7キロのマダイに、3キロのスズキも交じったという。 ところが、タイやヒラメが舞い踊った絶好調から一夜明けた今朝、イワシの大群は消え、なおかつ潮もほとんど動いていないという悪条件。海が穏やかなのが唯一の救いだが当然のようにアタリは遠い。 釣り始めて40分、ようやく右トモ寄りの竿が曲がる。スルスルとほとんど抵抗することなく上がってきたのはメバル。メバルにしてはいいサイズだが、この釣りでは小さな外道だ。 7時過ぎ、今度は左ミヨシで掛かった。こちらは本命だが、残念ながらソゲサイズ。 これ以上は無駄と判断したのか、船は港前から太東沖へと大きく移動。水深は15メートル。

 イワシの反応は相変わらずチョボチョボ程度だが、さきほどより沖目のポイントとあって、潮の動きは若干よくなった感じ。 マグロやカツオ狙いでもイワシの群れをとらえることが重要になるが、この場合は海面に跳ねが出たり海鳥が目印になるのでまだ分かりやすい。 しかし、ヒラメの場合は海底近くを移動するイワシの群れを見つけなければならないから大変だ。 その点、大原は房総きっての沖釣り基地。所属する数十隻の船が方々に散ってはそれぞれに探索し、その情報を無線で共有することで、群れとの遭遇を可能にしているのだという。

大きな誘いでアピール
 8時、左大ドモで本命が取り込まれた。サイズは1.5キロ級とまずまず。間髪入れずに次は左ミヨシで大きく竿が曲がる。これはなかなかの型のようで、リールを巻く手も重そう。 上がってきたのは2キロを超える良型ビラメ。そして今度は潮裏の右胴の間でもアタリ。これはソゲ級ではあったが、朝の沈黙が嘘のようにパタパタとアタリが続き、一気に船内が活気づく。 これはチャンス。自席に戻り本腰を入れて釣ることにする。ちょうど流しが変わり、右舷が潮先になる番だ。 大きめのマイワシを選んでハリを刺し、スルスルと海底へ。オモリが海底に着いたら50センチほど上げてタナを取る。

 道糸がほんの少し船下に入る程度だから、潮の動きはやはり鈍い。時折竿を立てては、離れた場所にいるヒラメにイワシの存在をアピールする。 手持ちでアタリを待っていると、突然ググンとアタリがきた。この釣りは合わせのタイミングがよく分からず、どちらかというと苦手な種目なのだが、これはいきなり重みのあるアタリだったので、すでに食い込んでいたのだろう。 それでも大事をとって、次のググンで大きく竿を立てるとグンと重みが竿に伝わった。海面まで巻き上げて、達彦さんにすくってもらったのは1.5キロ級のヒラメ。親バリが口内にガッチリ、孫のトリプルがエラに軽く掛かっていた。 その後は9時ごろに左胴の間で1キロ級、9時半ごろに右トモ寄りで2キロ級が上がり、渋いわりにはコツコツと釣果を重ねることができた。

 沖揚がりは11時半。釣果は0.5〜2.4キロのヒラメが1人0〜3枚で船中では10枚ほど。オデコも数人出てしまったが、イワシの反応が乏しく、潮も動かなかったことを考えれば致し方ない結果だろう。 イワシの南下はまだ始まったばかりで、日によってムラがあるが、今後本格化すれば釣果のほうも安定してくると思われる。◇ 取材を行った当日は谷日にはまりアタリが少なかったもものの、20日現在、再び大原〜太東沖の一帯にイワシの群れが回っており、3〜4キロ級の良型を交えてトップ5枚前後と復調。外房のヒラメは3月も期待度◎だ。


外房大原港 臼井丸

☎0470・62・2185

▶料金=ヒラメ乗合一人1万2000円(エサ、氷付き)
▶備考=3月は5時出船、駐車場あり。一つテンヤマダイ、根魚五目へも

 

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