繊細かつダイナミック春の名物、
イワシエサで狙うメバル上昇!

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※料金等データは2020年3月のものです。

今シーズンは出足が今ひとつで心配されていた三浦半島のイワシメバルだが、ここへきてジワリと模様が上向いてきた。今回仕立てた久留和港・かじや丸では、真沖の水深5〜12メートル前後を狙って25〜30センチ級の良型主体にトップ5尾。これにヒラメやカサゴ、アカハタなど豪華なゲストが交じって釣果に華を添えた。 この調子で水温が上がって春の濁り潮が入ってくると、いっそう食いが活発になり、イワシエサならではの繊細かつダイナミックな釣趣をたっぷり味わえるはずだ。

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イワシエサで尺メバル連発
底魚の豪華ゲストも登場!

寒い日と暖かい日を繰り返しながら季節は春めいてきている。 メバルは春告魚とも言われるから、ポカポカ陽気の穏やかな海で楽しみたいものだ。 2月1日解禁のイワシメバル釣りに出かけるチャンスを狙っていたのだが、イワシエサが手に入らなかったり、釣行予定日がシケたりしてストレスがたまっていた。 釣行前日の2月23日は「春一番」が吹いて大シケ。どうなることかと心配したが、翌24日は暖かい無風の朝を迎えることができた。 当日は中学生の孫兄弟の釣り特訓も兼ねていたので、孫を迎えに行ってから、仲間と待ち合わせた三浦半島久留和漁港の「かじや丸」に車を走らせた。

出船前の準備が肝心
 予定より少し遅れた7時半に船に乗り込んだが、船長は「昨日のシケで底が荒れちゃってるから、メバルはどうかな」と心配そうだった。 左ミヨシに兄の凌功の釣り座をセットし、続いて僕、そして胴の間に弟の海衣と3人並んだ。要するに左右の孫の面倒を見る布陣だ。 左舷は4人で大ドモには釣友の宮川くんが入った。右舷には幹事の川島さんを含めて3人。総勢7名の仕立船だ。 実は毎シーズン、かじや丸でイワシメバル釣りを楽しんでいるのだが、毎回すべての準備を整える前に「始めてください」ということになる。すぐに竿を出した人がキューンと竿を曲げるのに、僕はまだ準備中というパターンが続いている。 要するに久留和漁港の間近のポイントからスタートするから、出船したらすぐ投入ということだ。 今回は乗船前にある程度の用意はしておいたのだが、3人分の釣り座セッティングとなると、やはりそれなりの時間はかかる。 で、海衣の釣り座をセットしているときに、右ミヨシの川島さんが大きく竿を曲げた。25センチ近いナイスサイスのメバルだ。 さあて……まずは孫2人にイワシの付け方を含めて釣り方をレクチャーし、やっと僕も竿を出した。水深は10メートルちょい。 しばらく港前を狙ったが、後が続かない。船長は、船を葉山沖へと移動させた。 かじや丸は何年か前に亡くなられた先代船長も現船長も、魚がいないとみるとすぐに移動を告げる特徴がある。ずっと待ち続ける釣りはあまりしない。「ダメだ。移動します」という声を何度も耳にするが、細かいポイントを次つぎと探る攻めの釣りが売りだ。 葉山沖を流し始めてすぐに、凌功の竿が大きく曲がって竿先が海中に突っ込んだ。何度かグーッ、グーッと押さえ込まれる竿先を見ながら我慢し続けた結果だ。 釣り上げたのは27センチの良型でニコニコ顔だった。 その10分後に、またまた凌功が竿を曲げた。引きからしてデカそうなので、タモを用意した。海面に浮かんだメバルを見て、わっ! 計測したら31センチの特大尺メバルだった。 続けて僕の竿先がスーッと押さえ込まれた。すぐに竿を手にすると、グーッと重みを感じた。やや竿先を上げてテンションを加えた途端、ギューンと竿先が入った。3本継ぎの和竿がきれいな曲線を描く……いやあ、素晴らしい。抜き上げたメバルは29センチだった。 しばらくして胴の間の海衣の竿が曲がる。緊張して浮かせた後に、宮川くんがタモで取り込んだのは30センチの尺メバル、ヤッタネ! 凌功も海衣も小さいころから何度も釣りの特訓をしているので、イワシメバルは初めてでも最初にレクチャーしておけば、ほうっておいても自分で釣る(じじバカ)。 その後カサゴは釣れるものの、メバルの顔を見ない時間が続いた。 船長は葉山沖や長者ケ崎沖の尾ケ島周り、秋谷沖などを転々と移動した。

ハリス1号で大物浮上
 8時近くになって右舷の宮本さんがソゲサイズのヒラメを釣り上げた。昨シーズンは僕の友人がメバル仕掛けで4キロを釣り上げている。この海域はヒラメも多いので強い引きには要注意だ。 8時半近くに、置き竿にしておいた僕の竿にアタリが出て、続けて極限まで曲がった。すごい勢いで魚が突っ込んでいる。ここまで曲がるか! と思うほど和竿が弧を描く。27センチと25センチ弱のメバルの一荷だった。 穏やかな海なので、船の周囲にはボート釣りを楽しむ人の姿もチラホラ。 海衣も2尾目のメバルをゲットして楽しんでいる。 ただ、ほかの仲間はなかなかつらい状況に置かれていて、この時点で1尾2名と型見ず2名……うーん。 船長と色いろ話したが、どうも海水温が高くて海藻の育ちがよくないようだ。海藻が林のように茂って、その中にメバルが潜んでいるというのが本来のイメージなのだが、海藻が少ないと、メバルのすみかが減るわけだ。 10時過ぎに強い引きを楽しませてくれたのはアカハタだった。以前はこの海域にはいなかった魚だが、海水温上昇で昨年あたりから姿を見せ始めたようだ。数もいるようで、僕と孫で計3尾をゲットした。 昼近くには全員がメバルの顔を見てホッ。宮川くんも途中でバラシがあったが、なんとか本命をゲットした。 僕と孫もメバルやカサゴ、アカハタを追釣したが、圧巻は沖揚がり少し前の13時半に凌功が釣ったヒラメだった。 根掛かりかと間違えるような竿の曲がりだが、リールは少しずつ巻けていた。ゆっくりと浮かすようにアドバイスして、ユラーッと海面に浮いた魚を僕がタモで取り込んだ。後に測ったら1.5キロあった。ハリス1号で浮かせたのは偉い! 本人も前からヒラメを釣りたいと言っていたから、最高の笑顔を見せてくれた。 14時に沖揚がり。メバルの釣果は1〜5尾で、僕が5尾、海衣は3尾、凌功は2尾。ほかにカサゴやアカハタ、ヒラメなどイワシエサならではの多彩なゲストがそろった。 今のところメバルの数はあまりのびてなくて、トップ5尾前後が普通でいい日は10尾ほど。ただ、釣れるメバルが25センチから30センチオーバーとドデカイので、釣り味はメチャクチャ素晴らしい。 病みつきになる尺メバルの突っ込みを体験するにはチャンスかもしれない。 春汐の濁りが入ってくると、まだまだ数ものびるだろう。


三浦半島久留和漁港 かじや丸

☎046・856・8246

▶料金=仕立専門、イワシメバルは平日は3名まで3万円(1人増1万円)。土日祝日は5名まで5万円(1人増1万円)、生きイワシ、氷付き▶備考=出船時間は要確認。ほかヒラメ、アマダイ、アジ五目、イワシメバルとヒラメのリレー釣りなどへも出船

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