上越の乗っ込みに異変!?
早くも大ダイ交じりで好気配

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※料金等データは2020年3月のものです。

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春先の注目ターゲットの一つが新潟県上越エリアのコマセダイ。例年は3月ごろからプレ乗っ込みと呼ばれる600〜800グラム級主体の数釣りが始まり、5月になると中〜大型が荒食いし最盛期を迎えるのだが、今年は様子が違う。 今のところ船中10枚前後と数は控えめながら、3〜4キロ級の大ダイがコンスタントに上がっているのだ。記録的な暖冬に続いて気温が高くなる見込みの4月、このぶんならいきなり乗っ込み本番に突入する可能性も……今後の動向を注視したい。

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乗っ込み本格化の兆し!?
上越沖は大ダイの気配濃厚

新潟県上越沖の乗っ込みマダイの釣りは、例年なら3月にプレ乗っ込みと呼ばれる小型の数釣りで始まり、5月初旬ごろから中〜大型が釣れ盛る、いわゆる本乗っ込みを迎える。そしておおむね5月末ごろに終了となるのだが、果たして、今年はいかなるものか? ちなみに近年を見ると、大ダイが釣れ盛る本格的な乗っ込みが始まったのが、一昨年は5月9日、昨年は5月2日と年々早まる傾向にある。 去年私は4月中旬に5月の乗船予約をしようとしたが、時すでに遅く5月一杯は予約で満席となっていた。 そこで仕方なく釣友のマイボートに便乗し5月に4回釣行、2〜3キロ級主体に私の最大は6.7キロ、釣友は10キロオーバーを釣り上げた。

 

反応はあるのに……
 3月2日、上越沖の乗っ込みマダイの様子を見に、上越市直江津港の謙信丸へ。 私は左胴の間に席を構え、6時に出船。港を出ると、北東の強風が吹きつけ波も高く、船はゆっくり進む。私は頭から潮をかぶりブルブル震え、手もかじかみ、釣りをする気力がすっかりなえてしまった。おまけにウサギが跳ねる海面に目をやれば潮は泥色で濁りがかなりきつい……。 7時過ぎ、上越沖65メートルダチに到着。空は曇天、船は大きなウネリにほんろうされ立つのもつらいが、気力を振り絞って準備を始める。「海面下45メートルでコマセを振り出して、40メートルのタナでアタリを待ってください」との兼玉船長のアナウンスでスタート。 強風と濁り潮に加え、肝心要の潮がほとんど動いていないのかアタリが遠い。

 それでも皆さん、黙々と手返しを行い竿先を注視している。 30分ほど経過したころ、「底付近に反応がありますが、魚の活性が低いのか、浮いてくる気配がありません」と船長が嘆き節をつぶやく。 まるでお寺の苦行のごとき釣況となってしまったが、それでもだれ一人として手返しの手を休めないのはよほどの猛者ぞろいか!? その後は移動を繰り返し、もはやこれまで……とあきらめかけた10時過ぎ、風向きが南に変わって雲が薄れると、太陽が顔を出して春めいたポカポカ陽気になった。 潮は相変わらずあまり流れていないものの、海は穏やかな表情を見せ始めた。 静まりかえった船内に突然、船長のアナウンスが響き渡る。「今、マダイの反応が出てきましたよ〜! 食ってくるよ〜!」 その瞬間、まずは右ミヨシ氏の軟調竿が海面に突っ込み後検量3.9キロの大ダイが取り込まれた。

 するとこれが呼び水となり、左舷で怒とうの連続ヒット。まずはミヨシ、次いでトモ、そして胴の間の私の竿もグイッと曲がった。 上がってきたのはいずれも800〜900グラム級の小型であったが、悪戦苦闘の末にようやく顔を拝めたマダイだけに喜びはひとしおだ。 次投も同様の展開となりバタバタとアタリが到来。私の2枚目は若干サイズアップして1キロジャスト。 私にとっては3カ月ぶりの沖釣りであり、しかも10カ月ぶりのマダイ釣りゆえ、軽快なテンポの連釣がとても心地よい。


名人の必釣法とは?
 これで良型が1枚釣れればいうことなしだ。しかし、思惑どおりにはいかず3枚目は500グラム級でサイズダウン。 それでも大ダイを釣る人はいるもので、これ見よがしに右ミヨシ氏が当日最大の4.2キロを釣り上げ、その後も続けて1キロ前後をバタバタ4枚取り込んだ。 見事な釣れっぷりの右ミヨシ氏に好釣の秘訣を伺った。 仕掛けはハリス6号12メートルの一本通しに、アジング用のタングステンシンカー4グラムを2個配置し、ハリはヒラマサ11号を使用。

 マダイバリは大型が食ったとき折れたり伸ばされたりするので、軸太で頑強なヒラマサバリをすすめてくれた。シンカーの位置は潮の速さで調節するとのこと。 付けエサはオキアミの抱き合わせ。そしてタナに合わせ、常時誘いを繰り返すという。 誘いはゆっくりと竿一杯に持ち上げ、続いてスーッと海面まで下げる。 当日のように潮があまり動いていないときは、誘い下げが必釣パターンとのこと。ただし、誘い下げで食ってくるときは早合わせは禁物で、しっかり竿先が引き込まれてから合わせることが肝要なのだそうだ。 10時40分、風向きが南から西に変わった途端、無慈悲にも本日一番のヤマ場は過ぎ去ってしまった。 その後は船内もシーンと静まり返ってしまったが、皆さん黙々と手返しを続ける。

 午後1時50分に沖揚がり。健闘むなしく精も根も尽き果てて、上越沖に別れを告げた。 私の釣果は0.5〜1キロが3枚に留まったが、竿頭の右ミヨシ氏は1〜4.2キロを6枚釣り上げ、当地のマダイのポテンシャルの高さを証明した。 その後もプレ乗っ込みの様子はないものの、謙信丸では船中10枚前後で3〜4キロ級の大ダイがコンスタントに上がっている。 このぶんなら5月を待たずに、4月にいきなり乗っ込み本番に突入する可能性もある。上越沖のコマセダイの動向から目が離せませんぞ!


新潟県上越市直江津港  謙信丸

☎025・543・8316

▶料金=マダイ乗合8時間便1万2000円(エサ、氷別)、コマセや氷は船宿併営の釣具店で販売▶備考=4月から5時出船、駐車場あり。ほか夜アジ&ヒラメへも出船

 

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