アカハタ、カサゴ好況!
エサ&ルアーで遊ぶ真鶴沖の根魚五目

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※料金等データは2020年7月のものです。

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真鶴半島の沿岸、水深10〜20メートルの浅い岩礁帯が賑やかになってきた。近年急増しているアカハタを筆頭にオオモンハタ、小型のモロコ(クエ)を含む多様なハタ類、おなじみのカサゴにフサカサゴ、標準和名オニカサゴ、ヒラメ……などなどが夏を迎えてとびきり元気にアタックしてくる。 釣り方は胴つき2本バリ仕掛けのエサ釣りはもちろん、ワームをセットしたロックフィッシュスタイルのルアー釣りも人気。真鶴港のさい丸は船長自身が両釣法に詳しいのでビギナーも安心して楽しめる。

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カサゴ・ハタ類入れ食い
真鶴沖は根魚パラダイス

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7月12日、日曜日の早朝。相模湾真鶴港に係留しているさい丸には7名が乗船している。まだ6歳の田中花音ちゃんは釣りをしないので、釣り人は6名。このうち4名がルアーのロックフィッシュアングラーで、サバの切り身エサで釣るいわゆる根魚五目は岡山めいちゃん(10歳)と私の二人だけだ。 5時25分に出船したさい丸は港の東側で停船する。そして5時半、御守紀幸船長が開始をアナウンスした。「はい、いいですよ。水深は13メートル」 ルアーの4名が、ザリガニのような形状のクロー系のソフトルアーを付けたジグヘッドをキャストする。そして海底からルアーを跳ねさせては舞い落ちさせるリフト&フォールで引き寄せてきては、再びキャストを繰り返す。これは、海底に潜むカサゴやアカハタを狙う釣りだ。

 このあたりでは、魚のような形状のシャッド系を宙層で泳がせると、オオモンハタなど別の魚が釣れるのだが、朝のうちはカサゴやアカハタを釣ってまずはお土産を確保するらしい。 船長によると、このところルアーのロックフィッシュは人気で、さい丸でも乗船客の半分くらいはルアーなのだという。船のミヨシを譲り合って交代したり、情報交換する笑顔の絶えないアングラーたちの中に、ルアーに不慣れな私が入っていくのは思いのほか容易だった。 ちんぷんかんぷんながらも話を聞いていると、エサ釣りのめいちゃんが船中初となる魚を釣ってくれた。これなら得意分野だと喜んでカメラを向けるとササノハベラだ。

 開始から約20分後、右ミヨシの田中さんが20センチ弱のアカハタを釣る。船長が「こまいなあ……」とこぼすより前に、田中さんはこれをリリースすると言う。「カサゴやアカハタは大きくなるまでにかなり年数がかかるんですよ。だから食べるところがほとんどないような小さいやつは逃がしてやってほしいんですけど、言わなくても皆さんそうしてくれるんですよね」と操舵室の船長はうれしそうに話してくれた。

ガツンと着底一発!

 開始から約40分後。さい丸は三ツ石周りに浮かんだ。真鶴半島の三ツ石といえば人気の観光スポットだ。風光明媚なこの景色の中に浮かんで釣りができる最高のロケーションだ。 ここで竹谷さんと御守忠さんが続けてアカハタを釣り、約10分後に竹谷さん、田中さんがアカハタを上げる。エサ釣りの私もここで仕掛けを下ろしてみると、着底一発で25センチのアカハタが釣れた。 そして、ここからラッシュが始まる。田中さんに20センチを超えるカサゴ、私の二度目の投入でもカサゴが釣れる。私がアカハタとカサゴを連発すると、竹谷さんにアカハタ。私がカサゴ、カサゴと連発すると、忠さんがアカハタを上げる。 続けて田中さんと忠さんがカサゴを釣り、田中さんと私がアカハタを釣ると、また忠さんと田中さんがアカハタを抜き上げた。

 しかしこのラッシュタイムに強敵が出現する。キタマクラの登場だ。船長は三ツ石の東側に浮かんでいた船を西側へと移動させた。 ここでも私のアカハタに続いて忠さんが30センチはあるオニカサゴを釣り、ラッシュタイムは続く。 そしてお土産がそろったアングラーたちは、次つぎとシャッド系のソフトルアーに切り替えていった。 私の背後で、忠さんが左ミヨシの岡山さんに宙層の釣り方をレクチャーしている。するといきなり岡山さんが宙層狙いの本命魚オオモンハタをゲットした。 忠さんのレクチャーを要約すると、キャストしたルアーが着底したらリールを10回巻いて、また着底させる。これを繰り返していると、リールを5回巻いたあたりでアタリが出るとのことだった。「なんか潮がグチャグチャだな。底取れる?」とアングラーに確認した船長は、船を三ツ石の東側に戻す。

 すると今度は竹谷さんのロッドが曲がり込んだ。重そうにリールを巻く竹谷さんの隣に忠さんがタモを持って駆けつける。スパッとすくい上げられたのは50センチほどのモロコ(クエ)。この日、船上が最もヒートアップした瞬間だった。

今後は青物も期待大

 その後もカサゴとアカハタが船上のどこかで釣れ続き、私がオニカサゴを釣って11時に沖揚がりを迎えた。 港に向けて走り始めると船長が突如として船を停め、「スイミング(シャッド系)付けてる? 投げてみて!」とアングラーたちに叫んだ。 残念ながらヒットとはならなかったが、船の前方でイナダが跳ねたようだ。 この日の釣果は、20〜30センチ級のカサゴが0〜6尾に、ほぼ同サイズのアカハタが0〜10尾。「今日は小さいやつが多かった」と船長は嘆いたが、リリースサイズも含めればアタリが途切れることがないほどでかなり楽しめた。いい日は40センチクラスのアカハタが釣れることもあるようだ。

 この日のゲストは、船長が「小モンハタ」と呼んだオオモンハタにモロコ、オニカサゴ。加えて当地ではヒラメが交じることも珍しくないようで、4月には3.5キロが釣れたそうだ。 また根魚ではないものの、この日の最後にも予兆を見せたイナダやワラサなど青物もこれから交じってくるとのことだ。 各ポイントは港から10分程度と至近距離で、深くても水深20メートル前後の浅場主体で軽いオモリで楽しめるので、夏休みのファミリーフィッシングにもおすすめ。ともあれ、真鶴沖はロックフィッシュパラダイスだ!


相模湾真鶴港 さい丸

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▼料金=根魚五目乗合一人 8500円(エサ、氷付き)▼備考=予約乗合。5時半出船。無料駐車場あり。 ほかオニカサゴ、コマセ五目へも出船

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