数、型ともに安定の釣れっぷり
今年はいいぞ!銚子の夏ビラメ

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※料金等データは2020年8月のものです。

 銚子の夏ビラメが今年はいい感じに釣れている。7月下旬の取材日は外川沖8~12メートルダチの浅場を狙い、最大2.5キロを含み一人2~5枚。数、型とも突出した釣果は上がっていないものの、取材した長栄丸では6月の開幕からオデコなしという安定ぶり。サイズは1~2キロ前後が中心で、夏場にしては身が厚く脂の乗った魚体が多いそうだ。なお、浅場でアタリも派手に出るというから、早合わせしないように気をつけよう。

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オデコ知らずの安定感
外川沖の夏ビラメ快調

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小魚などの生きエサを使う釣りはいくつかあるが、その代表的なものがイワシエサのヒラメ釣りだろう。 ヒラメ釣りの魅力といえば、アタリから合わせるまでの駆け引きと、合わせた瞬間にギューンと竿が絞り込まれる重量感につきると思う。 その至福の瞬間を味わうべく7月25日、銚子外川港の長栄丸に出かけてきた。

置き竿に2連発

 このエリアでは6月からヒラメ釣りが始まっているが、今年の特徴としては極端な荒食いはないものの、平均して一人3〜5枚と安定して釣れていること。 しかも長栄丸では、今シーズンは一人もオデコを出していないと言うから、これは木村船長の長年の経験も相まっているのではないだろうか。 そして、もう一つの特徴はアベレージサイズが1〜2キロとよく、3キロオーバーの良型も高確率で釣れているという点だ。

 当日の乗船者は私を含めて6名で、4時半を過ぎたところで出船。15分ほどでポイントの真沖に到着。水深は8メートルで、海底は砂地にツブ根が点在している感じで、あまり根掛かりの心配はないとのこと。 さっそく船長から開始の合図が出され、エンジン流しでのスタートとなった。 初めの流しはアタリはなかったが、次の流しで撮影のために私が船内をうろついていると、「右ミヨシの竿がアタってるよぉー」と船長が声を上げた。 えっ? 右ミヨシは私の席……慌てて戻ると竿が静かになっていたのでバレたのかな? と思ったが、「あれだけ引き込んでいたから、もうハリ掛かりしていると思うよ」と船長。 恐る恐る竿を立てるとグググググッ……なんと船中1枚目は私の置き竿にきた1キロだった。 次の流しでは右胴の間の稲村さんがバッチリ合わせを決めて1キロ級を釣り上げる。 再び私が船内の様子を伺うために動き回っていると、「また鈴木さんの竿がアタっているよぉー」と船長。

 今度はバタバタと激しく竿がたたかれていたので、竿を手にして一段と大きな〝ギューン〟という引き込みに合わせて竿を立てると、ズシンと重みが伝わり1.2キロが上がってきた。 間を置かずに、右胴の間の稲村さんと右トモの高橋さんが同時にヒット。「鈴木さーん。前のほうのタモ入れお願い」 船長の声にタモを構え、海面にユラユラと浮き上がってきたヒラメをスパッとすくい上げた。 タモ入れの際は、釣り人はヒラメをタモのほうに誘導し、タモ入れする人はヒラメの頭からすくい取るのが鉄則だ。 釣れ上がったヒラメは高橋さんが1キロ、稲村さんは良型の2.5キロ。 しばらくすると、左ミヨシの苑田さんにもアタリがきて1.8キロを釣り上げ、「ようやく1枚釣れましたよ」とホッとした表情をみせる。

初挑戦で本命ゲット

 左胴の間の染谷さんにもヒラメからのラブコール。 ガツガツと竿がたたかれているが、ヒラメ初挑戦の彼には合わせどころが分からない。 そこで「まだまだ」と私がアドバイスを送ると、グーンと竿先が海面に刺さった。「今だ! 合わせて」と叫ぶのと同時に彼が竿を立てるとギューン、ガクガクと魚が暴れた。「竿を斜め上に構えて巻いて。ゆっくりでいいから無理はしないで」と声をかけると染谷さんは慎重に巻き上げ、やや小ぶりの800グラム級ではあったが人生初のヒラメをゲット。

 感想を聞くと、「無我夢中でよく分からなかったけど、すごく引くので楽しかったです」とうれしそうに話してくれた。「これでオデコは僕だけになってしまいましたね」と言っていた左トモの萱原さんにもようやくアタリが到来。 この日一番の激しいファイトから大型を期待してカメラを構えていると、あれっ? この長い魚体は……。萱原さんが釣り上げたのは61センチ、1.7キロの立派なマゴチ。「これはこれで、いいお土産になります」と極上のゲストを手にしてニンマリ。 9時半を過ぎたころ水深15メートル前後に移動。ここでもポツリポツリと1〜1.5キロのヒラメが顔を出し、萱原さんも1枚釣り上げる。

 しかし左ミヨシの苑田さんは調子が上がらない。彼は船内では唯一ライトタックルを使っていたのだが、ここにきてアタリが遠い。ライトタックルだとどうしても誘いすぎてしまう傾向があり、今日のヒラメはそれを嫌っているのかもしれない。 そこで苑田さんはノーマルタックルにチェンジ。すると途端に2.3キロを釣り上げ、次の投入でも1.5キロを上げて一気にエンジン全開。最終的に5枚を釣って竿頭になる。 雷が鳴り始めたため、少し早い10時45分に沖揚がり。私の釣果は4枚、トップ5枚が2名。船内全体で0.8〜2.5キロが23枚でオデコなし。 梅雨が明け、海の濁りも取れればさらに釣果も上向くことだろう。


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銚子外川港 長栄丸

0479・22・0567

▼料金=ヒラメ乗合1万3000円 (エサ、氷付き)▼備考=予約乗合。4時集合。 無料駐車場あり

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