湘南片瀬港出船の根魚五目
オニカサゴ主体に好発進!

相模湾湘南 片瀬港出船…江ノ島沖

フィッシングライター/丸山利明
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※料金等データは2019年4月のものです。

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根魚五目とひと口に言っても主となるターゲットは様ざまで、相模湾湘南片瀬港のまなぶ丸がメインで狙っているのは中深場の人気魚オニカサゴ。根魚五目とひと口に言っても主となるターゲットは様ざまで、相模湾湘南片瀬港のまなぶ丸がメインで狙っているのは中深場の人気魚オニカサゴ。 オニカサゴは周年狙えるが、同船の釣期は例年3〜9月ごろ。今年も3月中旬からスタート、取材日は江ノ島沖の水深100〜150メートル付近を狙い、600〜800グラム級主体に1キロオーバーの良型交じりでトップ3尾前後とまずまず。

 オニカサゴのほかウッカリカサゴやアヤメカサゴ、フサカサゴなどのカサゴ類やムシガレイなども交じって釣果は賑やかだ。「オニカサゴは冬の釣り物と思いがちですが、暖かい時期のほうが釣果はのびるし、食味の面でもひけをとりません」とは三ケ部船長。 春〜夏のオニ狙いの穴場、江ノ島沖は今シーズンも視界良好だ。

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◉湘南片瀬港発➡江ノ島沖

江ノ島沖に潜む大型を狙う

 

根魚五目でオニカサゴ好調

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それほど数が釣れるわけではない。しかし、だからこそオニカサゴは高級魚なのだ。

 プリプリとした弾力のある身を、刺身やしゃぶしゃぶ、鍋物などで存分に味わえるのは釣り人の特権。そのおいしさは数ある釣り物の中でもトップクラスといっても過言ではないだろう。

 私もオニカサゴの食味に魅了された一人。釣りたい一心で竿を上下して誘い、アタリを待つ。すると突然、コツンとアタリが訪れる。きたか!? とドキドキしながら竿先を見つめていると、やがてグイッと竿先が引き込まれる、あるいはゴン! とハンマーで竿をたたかれたかのような衝撃が襲ってくる。

 合わせたときの手応えと込み上げる高揚感。慎重に巻き上げ、無事にタモ取りした瞬間の感動。そのプロセスのすべてがオニカサゴ釣りのだいご味なのだ。

 そんなオニカサゴをメインに狙う根魚五目で出船している、相模湾湘南片瀬港・まなぶ丸に釣行した。

 

開始早々にヒット!

 3月22日、乗船者7名で7時に出船し、20分ほど走って江ノ島沖に到着。

「はい、どうぞ。始めてください。水深は95メートルです」との三ケ部学船長のアナウンスでスタート。

 置き竿にするつもりで私も仕掛けを下ろすと、着底した途端にコツッときてオニカサゴをキャッチ。20センチに満たない小型だったのでリリースしたものの、1投目から本命が釣れて期待が高まる。船長によると魚礁周りを流しているとのこと。

 再投入すると、最初は仕掛けが流されて道糸が斜めになったが、着底するころには糸が立つ。

「底潮がいってないみたいですね」と船長は苦い表情だ。

 流し変えを繰り返し、船中で数枚のムシガレイが上がって1時間ほどが過ぎたころ、左胴の間の成富さんと落合さんがほぼ同時にヒット。

 無事タモに収まったのはいずれも25センチ級のオニカサゴ。その撮影をする私の背後で楠さんが合わせを入れた。

 こちらはウッカリカサゴだったが、底潮が動き始め、魚の活性が高まってきたようだ。

 しばらくすると、船長は魚礁周りを離れて沖へ走り、水深140メートルで再開。

 ここではポツポツと25センチ前後のオニカサゴやアヤメカサゴ、ウッカリカサゴ、ユメカサゴなどのカサゴ類が釣れ上がる。

 しかし、船長はこのサイズに満足せず、さらに沖へと船を向ける。

「どうぞ、水深155メートル。徐々に浅くなります」

 再開した直後、左トモの西堂さんが後検寸34センチ、800グラム級のオニカサゴを釣り上げた。まずまずの本命が上がり、船長の表情がようやくやわらいだ。

 

竿を手に持つべし

 船長に釣り方を尋ねてみた。

「オニカサゴは底に定位してエサを待ってますから、仕掛けを底から1メートルほど上げて、海底をトレースするように操作することが大事です。

 まず、置き竿だと釣れません。海底はデコボコしてますから、水深はしょっちゅう変わっています。それをいち早く察知して底ダチを取り直すためには、竿は手に持っていないとダメなんです。とくにこのポイントは斜面を流していますからね」

 さっそく竿を手に持ち実践してみた。

 着底後、糸フケを巻き取り、仕掛けを1メートル巻き上げる。すると、すぐにオモリがコツンと底をたたいたので、再び1メートル巻き上げる。

 しばし待ち、底ダチを取り直すと今度は道糸が2〜3メートル出ていく。

 なるほど、船長の言ったとおり、これでは置き竿で仕掛けを底付近にキープすることは難しいはずだ。

 そこで、タナの取り直しを20〜30秒に1回くらいのペースで繰り返す。

 すると、コツン、コツコツというアタリに続いてグイッと竿先が引き込まれた。上がってきたのは33センチ、750グラムのオニカサゴ。

 この釣り方を繰り返し、なんと3尾のオニカサゴを釣ることができた。カサゴ類は上から落ちてくるエサに反応するといわれ、底ダチを頻繁に取り直すことでエサが舞い落ち、それがいい誘いになるのだろう。

 この時点でオニカサゴの数では一番。ひそかにほくそえんだが、この日のヒーローの座はあっけなく奪われる。正午を過ぎたころ、楠さんの竿が折れそうなほど曲がり込み、電動リールが悲鳴を上げる。

 操舵室から飛び出した船長がタモですくい上げたのは、42センチ、1.5キロのオニカサゴ。もちろんこの日の最大。船上でひときわ大きな歓声が上がった。

 やがて13時40分に沖揚がり。釣果は25〜42センチのオニカサゴが0〜3尾。ユメカサゴ、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、ムシガレイなどが交じった。

「今日はまずまずですね。うちはほぼ一年中根魚をやってますけど、これくらいは楽しめます。それと、たまにですけどヒラメやマダイも交じります。深場で食ってくるのはデカイですよ」

 同船は片瀬江ノ島駅から徒歩2分。出船は7時なので、電車釣行も余裕だ。そんな恵まれた立地にあって、高級魚オニカサゴを狙える片瀬漁港のまなぶ丸。根魚ファンにイチオシだ!


オニカサゴ仕掛け考察

 成富さん、落合さん、楠さんの3人は、ハリにタコベイトを付けていて、確かにアタリは多かったように思う。

 成富さんに聞くと、タコベイトのカラーはピンクとケイムラや、オレンジとケイムラの抱き合わせが効果的だという。ただし、「サメやサバなど好ましくないゲストが登場したときは、ほかの人を巻き込んでしまうので潔く外してください」とは船長の言。


まなぶ丸

神奈川県藤沢市片瀬海岸2丁目20-25 090-4543-9192 090-4543-9192

http://tj-web.jp/funayado/387.html

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