知る人ぞ知るアマダイの穴場内房富浦出船は今が最盛期!

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アマダイの釣り場は各地にあるが、ここ内房富浦多田良海岸から出船する日の出ボートは知る人ぞ知る穴場的な存在。6人限定のアマダイ乗合の舵を握る榎本福太郎船長は、富浦沖を中心とした内房のポイントを熟知した大ベテラン。1月下旬の取材日は館山湾の水深80メートル付近を中心に探り、45センチを筆頭に船中31尾、トップ10尾の釣果を得た。「うちは8月からアマダイ乗合を出していて4月一杯は狙っていきますが、数と型を狙えるトップシーズンは今。早めに来てください」と船長。 なお同船は道糸の太さに合わせて各自がオモリの号数を選択するスタイル。PE4号前後ならオモリ80号、PE2号以下ならオモリ50〜60号のライトタックルで楽しめる。

 

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6人限定でアマダイを狙う内房のトップシーズンは今

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細いPEラインを巻くことができる超小型〜小型電動リールとゲームロッドを組み合わせたライトタックルが普及し、人気が高まった釣り物の一つがアマダイだ。 アマダイ乗合は、以前はオモリ80〜100号がスタンダードだったが、近年はほとんどの船で、道糸がPE2号以下でオモリ40〜60号を用いたライトタックルで楽しめるようなった。 ライトタックルは誘いが楽なうえ、小さなアタリもよく伝わる。エサ取りが多いこの釣りは仕掛けを上げたらエサがなかった……なんてこともよくあるが、鋭敏なライトタックルならエサ取りのアタリを察して効率よく手返しできる。そしてなにより、細身のライトゲームロッドで味わう魚の引きがたまらない。

 今回取材した内房富浦多た田た良ら海岸・日の出ボートのアマダイ五目乗合もライトタックルOK。PE2号以下でオモリ50〜60号で楽しめる。 取材日の数日前、南岸低気圧が通過した。アマダイの生息域は水深60〜100メートル前後の泥地となっているため、底荒れすると濁ってしまって極端に食いが落ちることがある。様子が気になり前日に船宿に確認すると、「今日も出船しましたけど、50センチオーバーが2尾出ましたし、問題ありませんよ」と榎本福太郎船長。 底荒れの心配どころか、夢の50センチオーバーのアマダイと聞いて期待は膨らむばかりだ。

誘いが肝心

1月1月31日、釣友2名と日の出ボートへ。集合場所の船着き場に到着し、船長の指示で私たちは右舷に入った。ほか3名のお客さんは左舷に並び、準備が整った6時半に出船となる。 ポイントは港至近の館山沖で15分ほどで到着。「水深は72メートル。やってくださーい」 アマダイの基本釣法は、着底後、糸フケを取って1メートル巻き上げてタナを取る。その位置を基準に、竿先をゆっくり頭上まで持ち上げて3秒ほど止め、続いてゆっくり元の位置に戻す……という誘いを繰り返し、定期的に底ダチを取り直す。

 アタリがなければ、底から1メートル巻き上げた位置で、クイックイッと30センチほどの幅でシャクリを繰り返す誘いも効果的。時折5メートルほど巻き上げて、1メートル刻みでゆっくり誘い下げる方法もある。6人限定でアマダイを狙う内房のトップシーズンは今◉内房富浦多田良海岸発➡館山沖本誌APC(東京)/鈴木良和Yoshikazu Suzuki 私はこの3つの誘いを試しつつ、その日のヒットパターンを探る。ただし、底から1メートルのタナはあくまで基準、潮が速ければ低めに、逆に緩慢ならば少し高めにする。 ちなみに、仕掛けを上げるとエサが取られているのにアタリが分からないときは、仕掛けが底を引きずっている可能性大。タナを上げてみよう。

 なおエサ取りが多いときは、アタリがなくても3分間に1度くらいのペースで仕掛けを上げてエサを確認したい。 開始早々、左ミヨシの木下さんの竿が曲がった。しかし上がってきたのは15センチほどのリリースサイズのアマダイだった。 直後に右胴の間で釣友の米光さんが巻き上げを開始した。「アマダイ?」と尋ねると、「分かりません」と言う。 無理もない、彼はこの日がアマダイ初挑戦なのだ。「水深の半分くらいで暴れたらアマダイだよ」とアドバイスすると、そのとおりに暴れてくれたので本命と確信。 米光さんが釣り上げたのは25センチ。人生初アマダイに満面の笑みだ。 ほどなく再び木下さんが竿を曲げて、今度は35センチを釣り上げた。

きたぞきたぞ45センチ!

ここから私も竿を出す。すここから私も竿を出す。すると誘い上げたときコツッときたので、ひと呼吸置いてゆっくり大きく竿を立てるとグググググッ。電動の中速で慎重に巻き上げ、時折暴れる本命の心地よい引きを味わう。上がってきたのは38センチの本命。 次投も同級を取り込みニマニマしていると、「木下さんのはでかそうだなぁー、慎重に!」と船長がアナウンス。 駆けつけてカメラを構えていると、ボコッと浮かび上がったのは45センチのグッドサイズだ。

 良型登場で全員気合が入ったが、ゴマサバの群れが回ってきてオマツリが頻発。「あー、またサバだよ」 木下さんはオマツリ回避で高速で巻き上げていたのだが、海面で魚の姿を見た途端、「タモー!」と叫んだ。 正体は42センチのカンパチ。ハリス3号のアマダイ仕掛けは意外と丈夫なのだ。 9時過ぎ、うるさかったサバの気配は消えたが、アマダイからのラブコールも途絶えてしまう。「潮が動いてないから、タナを高めに取って誘ってみて」と船長がアドバイスしてくれたが好転せず。 10時半ごろ潮が動き始めると、魚の活性が上がったのか再びアマダイが釣れ始める。「ようやくいいサイズが出ました」と左胴の間の工藤さんが43センチのアマダイを釣り上げてニッコリ。

 私もこの流しで30センチ、35センチ、40センチと3投連続でアマダイを釣り上げて絶好調。 時合到来。果敢に誘いを入れるとまたまたヒット!「今日一番の手応えだよ」 タモを構えてくれている米光さんに話しかけながら巻き上げる。しかし姿を見せたのは30センチ級のカナガシラでガッカリ……。 やがて13時に沖揚がり。私の釣果はアマダイ9尾にカナガシラとカイワリ。アマダイは船中 アマダイは船中31尾、トップは10尾を釣った木下さん。ほかウッカリカサゴ、オニカサゴ、カサゴ、ワニゴチ、カンパチ、マダコ、キダイ、サバなど。多彩なゲストが交じるのもこの釣りの魅力だ。 日の出ボートは4月末までアマダイ五目で出船するが、トップシーズンは今なので早めの釣行をおすすめしたい。


内房富浦多田良海岸日の出ボート

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10470・33・2787

▼料金=アマダイ五目乗合一人8000 円(エサ別)▼備考=予約乗合。6時半出船。無料駐車場あり

 

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