◎尾川 泰将

 Wednesday尾川です。
 あんまり書くとよくないのでサラリと流しますけど、ワクチン接種2回目を終えたあとはバッチリ熱が出て、一日半ほどダウンしちゃいました。仕事もままならなかったので、接種後は休暇を取ったほうが無難かも……。ま、その後はウワサどおり一気に回復しましたよ。

 話は変わって先日、急用がありまして山口県の実家へ帰省。緊急事態宣言が拡大する前のことです。一日駆けずり回って用事を済ませ、息抜きに立ち寄ったのが瀬戸内海の国道沿いにある道の駅。きっと皆さんも同じでしょうけど、こういう場所で必ず冷やかすのは鮮魚コーナーでございます。
 そこで目を引いたのが、シロギスと一緒にたくさん並べられていたこの魚。

 

 シロギスにピントがいっちゃってますけど、その周りにいるのは皆様ご存知のクラカケトラギスなんですよ。
 ちなみに関東では通称「トラギス」と呼ぶのに対して、西日本では「トラハゼ」と言い、このパッケージにもしっかり明記されています。本種はキス科でもハゼ科でもないのですが、言われてみればハゼの姿のほうが似てるかも。
 恥ずかしながら、このクラカケトラギスが瀬戸内で定番の食材であることを私は知りませんでした。値段もシロギスより少し安い程度ですから侮れません。
 調べてみると天ぷらや煮付けで食べるようで、トラにちなんでいる……のかは知らないけれど、阪神エリアでも普通に食べられているようです。最近は関東の天ぷら種として流通しているとの情報もあるので、お店で天ぷらを食べるときはよ〜くチェックしてみましょう。ただしさすがにスーパーの鮮魚売り場には並ばないようです。
 評価が西高東低の魚としてはベラ(キュウセン)が有名ながら、クラカケトラギスもその一つ。たしかに天ぷらにするとふんわりとした食感で、皮目にうま味があります。ぜひ持ち帰って食べてみてください。

 

 ついでに、こんなメバルも販売されていました。よくよく見ると青みがかったダークカラーで、関東ではほとんど見かけない色合。
 おそらくシロメバル、アカメバル、クロメバルの三種に分類されたうちの「クロメバル」と思われます。瀬戸内では本種をアオメバルと呼んでいる人もいるので、関東よりもはるかに生息数が多い、普通に釣れる種のようです。

 子供のころは気にもしなかった故郷の魚を、大人になってようやく知る……。ピンスポットでこんなに楽しめるのですから、釣り好きにとって全国各地の鮮魚売り場は釣り最高のワンダーランド。ご当地ならではの、魚の食文化に触れることもできます。
 皆様も興味深い「鮮魚売り場」を発見したら、ぜひ投稿を。お待ちしております。