◉沖藤武彦

 

 

ども。最近はスマホのカメラ機能の進化が著しくて画面上で見るぶんには一眼カメラと大差なくなっています。

 

 

というより、iPhone13などは瞬時に複数枚のデータを統合、調整して、一瞬でプロが編集したような仕上がりの写真を提示します。

 

 

iPhone13Proにいたっては超広角、標準、望遠と、レンズを3つ備えていて、0.3倍、1倍、3倍の3段階に関しては、電子ズームで無理矢理広げた雑な画像ではなく、キッチリと撮れます。

 

 

で、今回の本題。

 

 

皆さんが撮る写真といえば、魚を持った写真、つまり「釣果写真」が多いと思います。

 

 

この「釣果写真」で魚の大きさを表現するのに最も分かりやすく、インパクトもあるのが

 

 

「前出し」

 

 

この前出しを撮るコツは、

 

 

①魚を前に出すこと。

 

 

②魚にピントを合わせること。

 

 

20ミリ以下の超広角レンズになると、魚がぐーんと巨大化します。

 

 

でも、ここでやりがちなのが

 

 

ムンク。

 

 

超広角は画面の端ほど歪みが出るため、魚を欲張ると人物の顔や頭が伸びちゃいます。

 

 

▲イカ先生・富所潤さんにご協力いただきました。先生、スミマセン!

 

 

ムンクを防ぐには、人物の顔の位置をできるだけ中心近くに置くこと。そして縦ではなく、横で撮ること。そして魚と人物の顔の位置をよく見るのがコツ。

 

 

つまり、構図ですね。

 

 

そして最新スマホで多いのが

 

 

やりすぎポートレート。

 

 

ムズカシイ話は抜きに、背景がボヤけ、遠近感のある写真になるモードで、iPhone13では調光まで変更できてもはや「神」レベル。

 

 

ですが、釣果写真で「前出し」のままポートレートモードで撮ると、もう、だれだか分かりません。

 

 

▲またまたイカ先生・富所潤さんです。実はイカ先生との撮影では通常よりも多くの実験的なカットを様ざまな機材(水中、空中問わず)を投入して撮影しています。その中から選び抜いた写真が、連載「Fishin'graph」で掲載されます。これはiPhone13proでのテスト画像。

 

 

ですから、ポートレートモードのときは

 

 

前出しをせずに魚と人物を一つの被写体として撮ることがコツ。

 

 

整理すると、釣果写真の目的とコツはこんな関係になります。

 

 

①魚を大きく見せつつ顔も見せたい=前出し→ポートレートモードにしない。人物の顔をできるだけ中心に

 

 

②魚と人物を生かしつつ背景をぼかして奥行きのある写真にしたい→前出しをせずにポートレートモードに

 

 

または、前出しのポーズのまま、離れて撮る(手ブレしやすいものの今のスマホは制御がすごいので大丈夫)

 

 

③普通のモードで、普通に魚と人物を見せたい→ポーズもカメラ設定も普通に撮る

 

 

といったところになります。

 

 

①と②は、これまで一眼カメラで色いろと設定したり、明るいレンズを使ったりと、まあ、簡単には撮れなかった写真ですが、最近のスマホなら、上の注意点さえ抑えておけば、サクッと撮れます。

 

 

で、①と②ができるようになったら、ぜひチャレンジしてほしいのが③。

 

 

①と②は、最新のスマホ写真についてはある意味、カメラ(アプリかな)頼り、誤解を恐れずにいえば、整形美人のような写真です。

 

 

カメラの機能に頼らずに「いい写真」を撮るのが③。

 

 

前出しとか、ポートレートとか考えずに、自然体で撮れる、いい釣果写真が③です。

 

 

ちなみにワタクシが今、主力機として使っているカメラはSONYのα7C。

 

 

そこそこ機能の充実したこのミラーレス一眼を、この方に貸してみると……

 

 

▲じゅりカメ・成瀬樹里さん。今や大手釣具メーカーや旅行関係のプロモーションにも登場して活躍しております。

 

 

なんの設定もしていないα7Cなら、釣果写真にかぎっていえば、彼女が使っているiPhone13proのほうが自由度が高く、キレイな写真が撮れます。

 

 

ところがどーですか。船を一周して撮ってもらって、データを見てびっくり。

 

 

前出しとか、ポートレートとか関係のない

 

 

「味のある釣果写真」

 

 

を撮っておりました。

 

 

それが、この一枚。

 

 

 

 

魚の大きさよりも嬉しさ、楽しさが伝わる写真。表情、背景、実に面白く、味があります。大袈裟でなく、背景の照英さんとオレの目線もふくめ、物語になっています。

 

 

まあ、たしかに可愛い女子に船の上でカメラ向けられたら、そりゃあニヤつくでしょう。ええ、ニヤつきますよ。スミマセン。

 

 

でも、そこに背景まで考えた構図が加わると、もう、掛け値なしで「いい写真」になるわけです。

 

 

実はこの直前、じゅりカメに、今まで撮っていて直したほうがいいかな、と思うところを2つ、教えてみたんです。

 

 

その途端、構図がビシッと決まるようになって、これですわ。

 

 

2つのコツについては、とても簡単なことですが、人によって異なります。もし興味があれば、船上で一緒に写真を撮りながらお話ししましょう(もったいつけてスミマセン)。

 

 

嗚呼……こうやって後輩に追い抜かれて行くんだな。

 

 

じゅりカメよ、今度、動画も撮ってね。

 

 

あ、そうそう! 『隔週刊つり情報』では、釣果写真コーナーも随時募集しております。

 

 

秀作には謝礼も出しておりますので、自慢の一枚を送ってみてくださいね!

 

 

↓応募はこちらから

http://www.tj-web.jp/esform/gachi.php

 

 

ぜひ、皆さんも楽しい釣果写真、または釣りの風景を撮って、より充実した釣りライフを楽しんでくださいね!