◉ども。昨日、撮影が順調に終わったので帰りの便を繰り上げて空港に向かったものの到着機の遅れで結局予定よりも遅く帰宅するハメになった沖藤です。いやはや、トップガンどころじゃないって。

 

 

で、この飛行機の遅れがですね、昨日、わが家にも降った「ひょう」の影響だったんですわ。夕方、機上から見る東京湾、めっちゃ風が吹いてましたよ。

 

 

 

 

さて。

 

 

そんな東京湾奥では6月からマダコ釣りが出船を開始、今年は昨年よりもよさそうな出足です。

 

 

ちなみに、内房(4月下旬)や横須賀(夏以降)など、漁業者との話し合いで遊漁の解禁日が決められているエリアもありますが、東京湾奥(千葉~東京~川崎~横浜方面)におけるマダコ釣りの開始は、釣り船間での申し合わせで6月から。

 

 

これは釣れる時期やマダコが沸く時期とも関係はあるのですが、湾奥出船については、マダコを年中とらないための知恵と呼べるもの。

 

 

1キロ級交じりで数が釣れていることから、しばらくはマダコ釣りが注目&人気を集めることでしょう。

 

 

このマダコ釣り、今ではすっかり餌木による竿釣りが主流になっていますが、その発祥は関西の明石。

 

 

東京湾同様にテンヤの手釣りだった明石で餌木が流行って数年、東京湾でも火が付いた格好です。

 

 

ご存じのとおり、東京湾では一昨年にマダコが大量発生、餌木タコは大発生を追い風に、一気にブームになりました。

 

 

その同じ年、餌木タコ発祥の地・明石でもマダコが沸き、釣れに釣れました。

 

 

東京湾はその後、つまり昨年も好調が続きます。

 

 

しかし明石は、昨年、不漁に見舞われました。

 

 

明石では以前、遊漁に解禁・禁漁はなかったそうですが、釣り過ぎを抑制するために昨年より4月解禁を導入したにも関わらず不漁となり、秋は出船せず。

 

 

これに危機感を抱いた明石では、今年は解禁を1カ月遅らせて5月1日に。

 

 

さらに、明石市漁連遊漁船部会では100グラム以上のマダコも任意で放流をうながす取り組み「タコマイレージ」を始めました。

 

 

これがそのポスター。

 

 

 

 

兵庫県のルールで以前より100グラム以下のマダコは採捕禁止つまりリリースすることになっているのですが、それに加えて

 

 

100グラム以上のマダコもよかったらリリースしてねというお願いです。

 

 

タコマイレージに賛同する遊漁船共通でスタンプカードを発行し、1杯放流につき1ポイントでスタンプを押し、たまると4段階ごとにオリジナルステッカーが進呈されます。

 

 

 

 

で、実際に、ガチの乗合船で100グラム以上のマダコを逃す人がおるんかいと思って見ていたら……

 

 

いるんです、リリースしている人が。

 

 

 

▲遠ざかっていくため小さく見えますが、お客さんが逃していたのは200〜300グラムのマダコ10杯。100グラム以下はルールにのっとりすべてリリースしています

 

 

このとき、スタンプを押すために、船長は船を止めて、声をかけて、放流した数を確認します。

 

 

つまり船長公認ですから、カッコつけや照れみたいな空気もなく、自然な感じ。

 

 

もちろん逃がさない人が責められるような空気は微塵もありません。

 

 

このあたり、関西の船長さんはうまいなあと思いました。

 

 

……このまま釣りたいだけ釣って、全部持って帰っていたら、やばいんじゃない?

 

 

そういう思いというか、予感は、実は、マダコをガチで狙っているマニアほど抱いているはず。

 

 

その予感を回避するため、行動に移すきっかけとして、タコマイレージは機能していくように思います。

 

 

また、東京湾と違い、明石では根周りを狙いませんから、めったに根掛かりしません。

 

 

それでも仕掛けのロストには気を遣っており、大人数を乗せることからオマツリ防止も優先され、餌木の本数やカンナの数を抑えるよう、お願いするケースがあります。

 

 

まあ、耳障りのより言葉でいえばSDGsになるのですが、明石のマダコ釣りでは

 

 

東京湾が近い将来に直面する可能性が高い問題への取り組み、呼びかけが行われています。

 

 

それら詳細については、ちょっと先になりますが『隔週刊つり情報7月15日号』にて、明石のマダコ釣りのテクニックとともに紹介したいと思っています。

 

 

ええ、昨日まで、ガッツリ取材してきましたから。

 

 

ちなみにタコマイレージ、つまりマダコ放流に協力した見返りは、ステッカーと、

 

 

今後もマダコ釣りを楽しめる可能性が高まること、

 

 

それで十分でしょう。

 

 

と、いったところで、ていねいに下処理して茹でた明石のマダコで、土曜の昼から一杯はじめる沖藤でした。

 

 

 

明石のマダコと東京湾のマダコの食べ比べた印象についても……本誌で報告します。