◎沖藤武彦
ども。子供のころは雪がよほどうれしかったらしく、ある大雪の晩、何を思ったか横穴状に掘った雪の中で眠っていたそうで、雪原になった夜の公園で頭だけ出してピクリとも動かないアンタを見つけたときにはホント腰抜かしたわと、いまだに雪が降るたび母に言われる沖藤です。いやはや。
本人はぜんぜん覚えていませんが、子供ってのはバカです。で、ウチの息子も5歳のときに同じ遊びしてたんすよ。もう、親子でバカですわ、わが家は。
なんて話はさておき『隔週刊つり情報』最新号・2月15日号が本日発売になりました!
日誌でも2週にわたって紹介した「釣りフェスティバル」の最新釣具を編集部員たちが見て、触って、聞いて「これは買い!」という新製品を紹介。YouTube動画と合わせて、ぜひお楽しみください。
さてさて、釣りの話題としては最近個人的に気になっている、というか、仕事抜きでも楽しんでいるのが「スーパーライトジギング」略してSLJ。
そうそう、SLJって書くと、いつも映画「JSA」を思い出しちゃうんですよ。USJじゃなくて、JSA。
……あ、釣りの話でしたね。はいはい。
SLJはわれらオッサンが苦手な「なんとかピッチジャーク」いらずの気軽なルアー五目である
SLJは三重県は尾鷲の磯で船からジグでイサキを狙ったのが始まりと言われ、その後、ターゲットを広げながら各地で流行、今やライトジギングと区別が付かなくなってきていますが、拡大解釈すると、とにかく「小さい(軽い)メタルジグで何でも釣って楽しもう」という釣り。
各社から出ているジグや対応ロッドの負荷表示などから、大まかに言って、SLJは30〜60グラムがメインで、最大80グラム、いざというときには100グラム……という感じ。
まあ、80グラムからはライトジギングじゃないの? というツッコミも分かりますが、タックルが対応していていればいいじゃん、楽しくやろうよ! といったところ。
で、このSLJ。基本的にはジグを投入して着底を確認したら、一定速度で巻いて、また落として、を繰り返すだけで釣れるんです。そう、われらオッサンが苦手な「なんとかピッチジャーク」ができなくても釣れるジギングなんです。
▲タナジグの「あいや〜じぐスレンダー」。宙層狙いのイサキジギングがSLJの端緒
詳しくはあらためて誌面やWEBで紹介しますけど、現在のメタルジグはとってもよくできていて、タダ巻きでほどよくアクションするようにデザインされています。
そのなかで、波動の大きいタイプ、小さいタイプがあり、狙いたい魚や、予想される活性に合わせてチョイスして釣ります。色いろ考えて1尾にたどり着く面白さもあれば、偶然、思いがけない大型と出会うこともある、そんな釣りです。
▲波動の小さなジャッカル・ラスパティーンwithタカハシゴー
▲こちらは波動の大きいジャッカル・ビンビンメタルTGでマハタっす
しかも、特筆すべきがどのジグも「フォール」で釣れるように研究されていること。ですから多くの場合、「落とす」ことが最大の誘いになっているんです。
で、重さが30〜60グラム、重くて80グラム。
これをオモリ号数に換算すると8〜16号、重くて20号ちょい。
どうです? ほぼ、一つテンヤと同じでしょ?
で、ですよ。ここ数年、ことあるごとに関東の船でSLJを試して釣れた魚たちが(タイジグ含む)……
マダイ、青物類(ワラサ、イナダ、ヒラマサ、カンパチ)、根魚類(カサゴ、マハタ、アカハタ、ホウキハタ、メバル)、ヒラメ、マゴチ、ホウボウ、トラフグなどなど。
▲こちらは外房大原港・公布号のSLJ船にて。本命を決めずに楽しむスタイルもいいもんです
▼この日、キャスティングの清水仁さんはメバルのみだったそうで(イヒヒ)
どうですか? ほぼテンヤと同じ重さのジグを、軽く投げるか落として巻いて、色んな魚が釣れちゃうんです。
前記の魚たちは、外房大原と真鶴のSLJ専門船以外は「一つテンヤ船」「ティップランエギング船」で、同船して釣ったものです。
一つテンヤ船&ティップランエギング船の船長へ。ぜひSLJを試してみて!
そう、関東地方は一つテンヤ船がたくさんあります。
SLJを専門で楽しむには、理想は「片舷に並んでドテラ流し」ですが、パラシュートアンカーを入れて流すスタイルでもSLJは可能です。
なにせ、一つテンヤは重くて15号、最大で20号。つまり、SLJとほぼ同じです。
なら、テンヤ竿でもSLJってできるんじゃない?
と思うでしょう。そう、できるんです。タイラバ用も使えます。
▲ベイトテンヤ230MHはSLJにぴったんこ!
実際、私が現在SLJで愛用している竿は、スピニングがタイラバロッド、ベイトはテンヤロッドです。気に入った専用竿が出そうなので購入する予定ですが、ぶっちゃげ、とりあえず始めるなら、なんでもOK!
▲専用竿はスピンニングがメイン。2月15日発売の『つり情報』では吉岡進さんの最新SLJを紹介!
今、タイラバの同船を拒否するテンヤ船は、私が知る限りありません。一部タイジグをNGとする船はありますが、タイジグもほとんどの船でOK、伝統的なイメージの強い内房や東京湾のマダイ船も同様です。
つまり、SLJを「タイジグと同じ」と考えれば、テンヤ&タイラバとSLJは融合します。
テンヤをSLJ用ジグに変えてポイっと投入すればSLJ。これぐらいの軽いノリでいいじゃありませんか。
さらに、ティップランエギングの船では、アオリ狙いがお休みする夏から秋にSLJを取り入れたら、色んな魚が釣れて面白いハズ。
なにせラインの出方も、底ダチの取り方もティップランとSLJはほとんど同じですから、船長も、お客さんも違和感なくできます。
どうです? 楽しそうでしょ!
というわけで、4月からはSLJにさらに力を入れて、関東でSLJがもっと気軽にできるよう、連載も始めます(ホント)。
まだ詳細はあげられませんが、SLJをやろうぜ!って船長がいたら、遠慮なく連絡ください。色いろ教えてほしいし、一緒に勉強して、盛上がりましょう。
以上、SLJから映画「JSA」を思い出した勢いで帰りに「パラサイト 半地下の家族」を観に行こうと思っている、ちょっとだけ映画好きな沖藤でした。
それでは皆さん、よい週末を!