欲張り派にはたまらない!
南房フラッシャー五目&スルメ上昇
南房太海港出船…鴨川〜江見沖
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※料金等データは2019年7月のものです。
一度の釣行で2種類の釣り物を楽しめるリレー釣りは欲張り派にはたまらない出船スタイル。
ここ南房太海港の長作丸では、早朝はフラッシャーサビキで主にクロムツ(ムツ)を狙い、その後はスルメイカに転進する夏の人気メニューで出船。
クロムツは30〜40センチ級の良型主体にいい日は10尾以上釣れている。後半のスルメイカは潮次第となるが、胴長20〜25センチ級がトップ20杯前後で、条件に恵まれれば1束超えの釣果も上がっている。 当地のムツ&スルメは8月も期待大。リレー釣りファンにイチオシだ!
南房のクロムツ&スルメ
リレー釣りで楽しみ倍増
魚介類の中でイカほど使い勝手のよい食材はない。和洋中どんな料理にしてもおいしく、「イカは苦手」という人に私は出会ったことがない。魚介類の中でイカほど使い勝手のよい食材はない。和洋中どんな料理にしてもおいしく、「イカは苦手」という人に私は出会ったことがない。
そんなイカの中でもポピュラーなのがスルメイカ。近年は漁獲量が減少傾向といわれ、鮮魚店では高級イカの仲間入り!? 気軽に買えなくなってしまったが、こと沖釣りに関しては、今年もそこそこ順調に釣れているようだ。 各地のスルメイカの釣況をリサーチすると、南房太海港の長作丸で100杯超えを記録したとの情報。そこで7月7日、釣友3名と南房へ向かった。 同船は早朝にフラッシャーサビキでクロムツ(ムツ)やアジなどを釣った後、スルメイカに転進するリレー釣りで出船している。
フラッシャーサビキについては船宿仕掛けがおすすめだ。問題はスルメ仕掛けのプラヅノのサイズ。目下は胴長20〜25センチほどのニセイカ級が主体で、プラヅノは14センチと18センチで迷うところ。そこで、事前に電話で船長にアドバイスを求めると、「18センチにしなせぇーよぉー」と即答。
スルメイカはイカの中でもどう猛な性質を持つと言われており、大きく目立つツノのほうが乗りがいいと船長は言う。直結かブランコかは好みでいいが、18センチのプラヅノであればブランコ仕掛けでもサバにツノを飲み込まれにくいためトラブルが少ないとのことであった。
良型クロムツ登場
集合時間の3時半には予約の7名が集まり、左舷に3名、右舷に4名が並び、準備が整った4時に出船となった。 当日は波と風が強い予報だったが、沖に出ると北風こそ強いものの波やウネリはたいしたこともなく、20分ほどで鴨川沖に到着。まずはフラッシャー五目からスタートする。 釣り場には5〜6隻が集結しており、魚探反応を見たのち、水深100メートルで投入合図が出た。
船長に教わった釣り方は、着底後、ソフトに竿を上下して誘いつつ底から10メートル上まで探り、アタリがなければ同様に少しずつ下ろして再着底させる。この繰り返しで誘い続けることが大事で、置き竿はNGとのこと。 また、アタリがないとフラッシャーサビキにエサを付けたくなるものだが、それだと仕掛けの動きが悪くなり、かえって食いが落ちるそうだ。
さっそく右トモの塙くんがアタリをとらえたが、上がったのは30センチほどのアジ。 続いて隣の花澤さんにヒットし40センチ級のクロムツを釣り上げた。「今度はクロムツでしょー」 釣友の塙くんの竿先が派手にたたかれている。予想どおり上がってきたのは35センチ級のクロムツとアジのダブル。 この釣りは日の出前の早朝が勝負時なので、ここで私も左トモで竿を出す。
着底後、糸フケを取り、10メートルほどソフトに誘い上げ、続いてサミングしながらゆっくり落とし込む。すると落とし込んでいるとき、竿先がホワホワと動いた後、ガツガツとクロムツ特有の派手なアタリがきた。 ポッカリと海面に浮いたのは38センチのクロムツ。この調子でガンガン釣りたいところだが、その後は船中ポツリポツリとなってしまう。 船長は早めに見切りをつけ、5時過ぎにスルメイカ狙いへ転進となる。
乗り活発も速潮に苦戦
しばらく南下し、江見沖の水深140メートル、底から20メートルの指示ダナで第2ラウンドスタート。 ほどなくしてほぼ全員に乗った! しかし潮が速く、巻き上げ中にオマツリして、直結仕掛けを使っていたほとんどの人がバラしてしまう。 そんな中で無事取り込んだのは、右舷でブランコ仕掛けを使っていた2名。ミヨシの高橋さんは3杯掛けだ。 次投で塙くんが再び乗せたが、直結仕掛けに慣れていない彼は、取り込みの不手際で上がってきたスルメ3杯を海面でバラす失態をやらかし、じだんだを踏む。
速潮と風の具合で左舷は道糸が船下に切れ込み釣りにくい状況。ほぼ毎投乗るのだが、取り込みのとき仕掛けが船底に当たってバレてしまう。 左舷では船長に了承を得たうえで、使用オモリ150号に50号の増しオモリをする人もいたが、それでも指示ダナを数回探るとどんどん仕掛けが流され道糸が200メートル以上出てしまうようだ。 30分ほど流して潮回り。私は直結仕掛けにオモリ150号と50号の増しオモリを付けて投入。着底後、20メートル上まで誘い上げ、再着底させると水深プラス40〜50メートル余分に糸が出る。
「最近までこんなに潮が速くなかったのによぉー」 船長も操船に苦労している様子で、私もこんなに潮が速い状況はこれまで南房では経験したことがない。 しかしイカの活性は高いようで、群れに当たるとズシズシと乗ってくる。私にも3投連続で乗ったのだが、3回とも巻き上げ中に右舷とオマツリしてバレてしまった。
やむなくブランコ仕掛けにチェンジし、ようやく胴長22センチのスルメをキャッチ。苦労して釣り上げた感無量の1杯だ。 釣友も全員ブランコ仕掛けに交換してスルメを釣り上げ始めたのだが、時合が過ぎたのか乗りが遠のき、その後は30分に1度のペースで潮回りを繰り返してポツリポツリ。そのまま11時に沖揚がりとなった。 スルメの釣果は胴長20〜28センチ級が3〜20杯、竿頭は右ミヨシの高橋さん。
当日は極端に速い潮に翻弄されたが、スルメの乗りはよかったので、潮が緩んで安定すれば釣果も上向くはず。 大流しになることが多い当地は仕掛けの投入や回収がマイペースでできるから、イカ釣り入門にもおすすめだ。 一度で2倍楽しい南房のクロムツ&スルメのリレー釣り、欲張り派にイチオシです!
南房太海港
長作丸
☎04・7092・1386
▶料金=フラッシャー五目&スルメイカ乗合一人1万円(氷付き)
▶備考=出船時間は電話確認。イサキ、アカムツへも出船